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チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第45回『花冷え』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1981年の『木曜ゴールデンドラマ』より『花冷え』をご紹介します。放送日は1981年2月5日でした。今回、東映チャンネルでの放送は12月で、大晦日にも放送がありますが、劇中では、序盤に大晦日や元日の描写がありますので、12月にご視聴いただくには、ちょうど良い作品かもしれません。

本作は瀬戸内晴美さんの「夏の終り」「黄金の鋲」をベースに映像化された作品です。瀬戸内晴美さんは、いまでは瀬戸内寂聴さんと書いたほうがわかりやすいでしょう。いまからちょうど100年前、1922年(大正11年)に生まれ、1年前の2021年に99歳で亡くなられた尼僧にして、小説家。大正から昭和、平成、令和を駆け抜けた、その波乱に富んだ生涯については、よく知られているところでしょう。約半世紀前の1973年に出家された寂聴さんですが、「夏の終り」が書かれたのは、いまから60年前の1962年。少しややこしいのですが、1963年に出版された短編小説集「夏の終り」には、標題作のほか、その連作という形で「花冷え」というタイトルの作品も収録されていました。本作のタイトルは、ここから採られたものです。そして、ドラマの内容は「夏の終り」がベースになっていますが、ラストの主人公のモノローグ部分には「黄金の鋲」(1967年に発表)の表現が登場します。

「夏の終り」は、1963年に早くも映画化されていました。このときのタイトルは『みれん』で、これも「花冷え」と同様、「夏の終り」の連作として書かれた作品のタイトルでした。池内淳子さんが主演で、その他、仲代達矢さんや仲谷昇さん、西村晃さんらが出演されました。そして、そのちょうど50年後には、満島ひかりさんの主演でふたたび『夏の終り』が映画化されました。主人公の設定は小説家ではなく染色家となっているものの、知子・涼太・慎吾といったキャラクター名は変更されていません。

 

さて、前置きが長くなりましたが、「花冷え」のストーリーについて、ご紹介していきましょう。相沢知子(岩下志麻)は、中堅の女流作家として多忙な日々を送っていました。私生活では、久慈慎吾(中尾彬)という、売れない小説家と暮らし始めてから5年が過ぎていました。ただし久慈とは不倫の関係でした。久慈は、知子の家と、妻子が暮らす家を行き来する日々。大晦日から元日にかけてなど、節目のタイミングでは、妻子のところにいました。しかし、知子もそんな生活に、特にストレスを感じていませんでした。

そんなとき、知子は思いがけない再会を果たします。8年前、自分が夫と乳飲み子を捨てて結ばれた木内涼太(萩原健一)が突然、知子の前に姿を現したのです。知子と涼太の関係は、知子が家庭を捨ててまで選んだものにもかかわらず、すぐに終わっていました。その後、涼太は結婚したものの、いまは別れて独身に戻っているようです。久慈と幸せな日常を送っている知子にとっては、涼太との再会は「ただ懐かしい」ものでした。

ところが涼太にとっては、そうではありませんでした。涼太は知子が久慈と暮らしている家を調べたうえで、久慈が妻子のもとへ帰っている元日に、ひとりぼっちで正月を迎えている知子を訪ねてきたのです。このあたりから、知子の心にも、変化が生じ始めます。後日、久慈の妻からの電話をたまたま受けてしまった知子は、あらためて、久慈には家庭がある、という事実を認識する形になりました。頭の中では理解していても、直接、久慈の妻の声を聞いたことが、知子に大きな影響を与えたようです。久慈と別れることを決意した知子。一方の涼太も、知子を激しく求めていました。しかし、知子にとっては、これは新しい修羅の道の始まりだったのです……。

 

岩下志麻さん、萩原健一さんという2大スターが共演した、大人のラブストーリー。ただしテーマは「不倫」なので、知子や涼太のヒリヒリした思いが、画面を通じて伝わってきます。特に後半はほぼ、この2人だけのやりとりが続く構成。お互いを愛しているのに、どうしてもうまく気持ちが通い合わない2人の、本気のぶつかり合いは凄まじい迫力です。ちなみに、当時の岩下志麻さんは大河ドラマ『草燃える』(79年)の主演を務めた後で、映画『極道の妻たち』シリーズ(86~98年)に出会う前、という状況。萩原健一さんは30歳を迎えたばかりで、黒澤明監督の映画『影武者』に続いて、本作に取り組んだという形でした。2人とも、キャリアの絶頂期へ向かう時期に、本作と出会ったと言えるでしょう。また萩原さんと寂聴さんの交流が長く続いたことも、よく知られるところです。

初回放送から40年あまりを経て、ふたたび世に問われる、寂聴さんの世界。最高の演技者を得て、どのように描かれたのか、この機会にご確認ください。

 

<12月の『Gメン’75』>

12月が初回放送となるエピソードは、第99話から第108話です。サブタイトル通り、「安楽死」の問題を扱った第99話「安楽死」をはじめ、重厚なテーマに挑んだ回が続出。そんな中、第103話では響圭子刑事(藤田美保子)がGメンを去り、第104話では津坂刑事(岡本富士太)が壮絶な殉職を遂げます。さらに第105話からは立花警部補(若林豪)、中屋刑事(伊吹剛)、速水涼子刑事(森マリア)がGメンに加入。約半数のレギュラーが一気に入れ替わった『Gメン’75』は、新時代へと突入していきます。第105、106話では香港、マカオでのロケも行われていますので、ぜひ、ご期待ください。

そして『ピンスポ!』では、10月の前編に続いて、岡本富士太さんインタビューの後編が放送されます。もちろん、殉職編などについてもコメントをいただいておりますので、こちらもお見逃しなく!

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年12月】

<放送日時>

『花冷え』

12月8日(木)13:00~14:50

12月31日(土)21:30~23:30

 

『非行少年』(原作:津本陽/脚本:高久進/主演:石立鉄男)

12月9日(金)13:00~15:00

 

『沈黙は罠』(原作:夏樹静子/主演:香山美子)

12月13日(火)13:00~15:00

 

『現代神秘サスペンス 六本木メランコリー』(出演:岩下志麻、原田芳雄ほか)

12月16日(金)19:00~20:00

12月30日(金)19:00~20:00

2022年11月25日 | カテゴリー: その他
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チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第44回『怨霊女子学園』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1981年の『木曜ゴールデンドラマ』より『怨霊女子学園』をご紹介します。そのタイトルから推察できる通り、放送時期は真夏(8月13日)。当コラムの第42回では、同じく『木曜ゴールデンドラマ』より『悪霊の棲む館』(1980年8月21日放送)をご紹介しましたが、『怨霊女子学園』も『悪霊の~』と同様にプロデューサー=武居勝彦さん(東映)、脚本=藤井邦夫さん(前作では「相里修」名義)、監督=吉川一義さんのトリオで作られました。

 

「聖和女子学園」では、妙な噂が広がっていました。この学園はもともと、双子の姉妹を亡くした父親によって創立され、現在でも、その姉妹を描いた絵が学園内の一室に飾られているのですが、夜になると、姉妹が絵から抜け出し、幽霊のように出没するというのです。そして、もうひとつ。若く美しい美術教師・水村涼子(真行寺君枝)は生徒たちからも人気がありましたが、その涼子が2人いるのではないかという奇怪な噂も……。その話は本人の耳にも届いており、涼子は困惑していましたが、同僚で親友の浅倉先生(五十嵐めぐみ)は、「気にしないほうがいい」とアドバイスします。多感な年頃の生徒たちには、不思議な感覚が備わっており、噂は、その影響に違いないだろうと……。

そんなある日、学園で用務員として働いていた大沢(灰地順)の死体が、校庭の池で発見されました。学園はパニックになりますが、中川園長(小山明子)は教頭(加藤和夫)に対し、「仮に不審な点があったとしても、事故死として処理・報告するように」と厳命します。厳しい園長にそう言われては、教頭としても従わざるを得ません。園長は、自分が人生を懸けて運営している学園に、傷をつけたくなかったのです。

しかし、さらなる事件が起こります。今度は、涼子の噂に関心を持っていた音楽教師(永島暎子)が、屋上から転落死を遂げたのです。しかも、浅倉先生は偶然にも、その瞬間を目撃してしまいました。転落死ではなく、殺人。それも、犯人は涼子……と同じ顔をした人物でした。慌てて浅倉先生は、休暇をとっていた涼子に連絡を入れます。すると涼子は電話に出ました。ホッとした浅倉先生でしたが、同時に、もうひとつの疑惑が確信へと変わっていきます。涼子は本当に、2人いるかもしれないのです。

事件が連続して起こったことで、刑事(小池朝雄)も本格的に捜査を開始しました。刑事は、学園内の噂を調査し、やがて、今回の事件につながる手がかりを入手します。それは、果たして……。

 

全編の大半の舞台となっているのが、タイトルにも入っている「女子学園」です。冒頭から、不気味な「双子の幽霊」が登場。「学園ホラー・サスペンス」として、雰囲気たっぷりな一編となっています。物語の鍵を握る、ミステリアスな涼子を演じた真行寺君枝さんは、当時、テレビドラマ『沿線地図』(79年)や、アサヒビールのCMへの出演などで注目を集めていました。美術教師を演じていますが、放送時点で21歳という若さでした。ベテラン刑事の小池朝雄さん、園長の小山明子さんが貫禄を見せる一方で、ショッキングな死体役を吹き替えナシで演じた灰地順さんの熱演も印象に残ります。

学園という閉鎖的な空間で、悲しい事件が生まれてしまった原因は何なのでしょうか。あっと驚く真相が明かされるラストまで、じっくりとご覧ください。三枝成章さんによる劇伴曲の数々も、素晴らしい仕上がりです!

 

<11月の『Gメン’75』>

11月が初回放送となるエピソードは、第91話から第98話。第94話「ブリュッセル国際空港の女」は、第86話から第88話に続くヨーロッパ・ロケシリーズの1作です。この時期は他にも、第92話「女の留置場」や第93話「29の死神の手紙」、第97話「嫁・姑・孫の戦い」など、衝撃的な展開を見せる回が続出します。ぜひ、ご期待ください。

そして『ピンスポ!』では、『Gメン’75』にも頻繁にゲスト出演されている佐藤仁哉さんが登場。11月から特撮ドラマ『コンドールマン』が放送されることを記念して、当時の秘話をたっぷりと語っていただきました。こちらもお見逃しなく!

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年11月】

<放送日時>

『怨霊女子学園』

11月10日(木)13:00~14:50

11月24日(木)20:00~22:00

 

『運命の旅路』(主演:丘みつ子)

11月18日(金)13:00~15:00

11月28日(月)15:00~17:00

 

『現代神秘サスペンス 三階の魔女』(監督:山下耕作/主演:十朱幸代)

11月20日(日)19:00~20:00

11月29日(火)16:00~17:00

2022年10月24日 | カテゴリー: その他
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チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                                                                   第43回『瀬戸内海殺人事件』

先月(9月)はお休みしてしまい、誠に申し訳ありませんでした。前回が「第42回」だったので、あらぬ想像をした方がいらっしゃるとか、いらっしゃらないとか……。何事もなかったように継続させていただきますので、よろしくお願いいたします。

さて、そんな今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1983年の『土曜ワイド劇場』より『瀬戸内海殺人事件』をご紹介します。原作は草野唯雄(そうの・ただお)先生で、作品は1964年に発表され、1972年に単行本化されました。

 

地質学の権威・重枝昌光教授(穂積隆信)は妻で画家の恒子(水野久美)と険悪な状態になっており、彼の愛情は、いまではお手伝いとして働いている宮本園江(池波志乃)に注がれていました。しかし、恒子は離婚に応じようとしません。そこで重枝はいつしか、恒子を殺害したいと考えるようになりました。

そのチャンスは、意外と早くやってきました。重枝家に仕事で出入りしている青年・和久秋房(原田大二郎)が、重枝に借金を申し込んできたのです。和久は誰にも言えない借金をしており、バレたら会社をクビになることは間違いないため、重枝を頼ったのでした。重枝にとって、この話は好都合。金を工面してやる代わりに、自らが立案した「殺人計画」に、和久をむりやり誘いました。和久と、愛人の園江。この2人に妻の恒子を殺害させて、自分には完全なアリバイを作っておく、というものです。園江は当初、抵抗していましたが、結局、重枝の指示通りに動くことを了承。こうして、ひとつの犯罪が動き出しました。

重枝の計画は周到でした。恒子は、実際には東京で殺され、死体を埋められたのですが、園江が恒子になりすまして行動することで、「恒子は海に身を投げて自殺した」ということになったのです。もちろん、存在するのは状況証拠だけで、海から恒子の死体が発見されることはありません。しかし、恒子は行方不明となっているわけで、これでほぼ、恒子の自殺は成立するのです。あとは重枝、和久、園江が口裏を合わせれば、「完全犯罪」も目前でした。

そんなとき、恒子の自殺に異議を唱える人物が現れました。恒子の妹で、フリーカメラマンをしている尾形明美(浅茅陽子)です。姉の性格をよく知る明美にとって、自殺は考えられませんでした。しかも明美は、重枝家にもよく出入りしており、最近、夫婦仲がうまくいっていないことも知っていました。重枝が姉を殺したのではないか、と直感的に疑った明美は、重枝を介して知り合っていた和久に、真相を究明するために協力してほしいと依頼します。まさか、和久も共犯者だったなどとは、このときの明美には、知る由もありませんでした。

和久は断るわけにもいかず、慎重を期しながら、明美と行動をともにしました。少なくとも重枝には、鉄壁のアリバイがあるのです。いずれ明美も諦めるはず、と思っていた和久でしたが、姉への思いが強い明美は、この事件の不審な点をどんどん指摘していきます。このままでは、完全犯罪に危険信号が!?

ところが、事件に関連して、新たな殺人が起こり……。

 

本作の製作は、テレビ朝日ではなく、朝日放送が担当。四国ロケを敢行し、スケール豊かな推理劇が展開されました。

中盤までの焦点は、真相を隠したい犯人グループ側と、真相を突き止めたい主人公・明美のやりとりです。和久を原田大二郎さんが爽やかに演じていることもあり、途中から観た人などは、明美と和久がコンビで犯人を捜す話のように勘違いするかもしれません。

しかし、本作では後半にあっと驚く「どんでん返し」が待ち受けています。前半、ある一連のシーンで実に巧い演出がなされており、筆者などは、それに見事にダマされてしまいました。ある意味では「禁じ手」と言えるかもしれない展開ですが、映像作品での推理劇の特性が活かされており、決して「ルール違反」ではありません。おそらく、勘の良い方は、ダマされず、劇中の登場人物たちより少々早く、絶妙な「からくり」に気づくのではないでしょうか。とにかく、先のあらすじに記した「新たな殺人」のところまで、ご覧いただければと思います。そこまでを観たら、ラストを確認せざるを得なくなるはずなので。

 

監督は当時、2時間ドラマを中心としつつ、『特捜最前線』にも参加していた松尾昭典さん。日活の黄金時代を支えた手腕は、テレビドラマの世界でも健在でした。本作の翌月には同じ『土曜ワイド劇場』で、森村誠一先生が原作の『高層の死角』を担当(1983年4月30日放送)。さらに同年の8月には、本作と同じ原作者、脚本家(高橋稔さん)、音楽担当(三枝成章さん)、主演という布陣で『ハイミス探偵日記』も手がけています。本作と共通の出演者には他に下川辰平さん、湖条千秋さんがいました。

また、本作には林健樹さん、香野麻里さんも出演されていますが、ご両名は同時期、『科学戦隊ダイナマン』にレギュラー出演。番組の最終盤まで活躍する悪役を好演しました。本作と『ダイナマン』はいずれも、東映の阿部征司プロデューサーが担当しているため、そのつながりでのキャスティングだったと思われます。

……それでは、また来月の当コラムにて、お会いしましょう。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

<10月の『Gメン’75』>

10月が初回放送となるエピソードは、第83話から第90話。第85話「’77元旦デカ部屋ぶっ飛ぶ!」は、1977年の元日に放送された、深作欣二監督作品です。また、第86話から第88話は、ヨーロッパ・ロケ三部作。時効が成立した三億円事件の真相を突き止めるためGメンがパリへと飛びます。川津祐介さん、范文雀さん、中島ゆたかさん、西田健さんといった『Gメン’75』おなじみのゲスト陣が熱演! ぜひ、ご期待ください。

そして『ピンスポ!』では、津坂刑事を演じた岡本富士太さんが登場。『Gメン’75』の秘話をたっぷりを語っていただきましたので、こちらもお見逃しなく!

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年10月】

<放送日時>

『瀬戸内海殺人事件』

10月8日(土)18:00~19:50

10月21日(金)11:00~13:00

10月31日(月)24:00~26:00

 

『花柳幻舟獄中記Ⅱ』(監督:森崎東/主演:花柳幻舟)

10月23日(日)23:00~25:00

 

『華やかな死体』(監督:池広一夫/主演:竹脇無我)

10月11日(火)22:00~23:50

10月21日(金)13:00~15:00

2022年9月20日 | カテゴリー: その他
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チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第42回『悪霊の棲む館』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、先月と同じく1980年の『木曜ゴールデンドラマ』作品より、『悪霊の棲む館』をご紹介します。本作が放送されたのは8月21日。タイトルからもおわかりのように、夏の怪奇編として企画されました。ちなみに、前週の8月14日に放送されたのは『さすらいの甲子園』。企画・岡田晋吉さん、プロデュース・中村良男さん、脚本・鎌田敏夫さん、監督・斎藤光正さん、主演・中村雅俊さんと、名作ドラマ『俺たちの旅』(75年)の布陣で製作されました。共演は夏目雅子さんをはじめとして、柴田恭兵さん、高橋悦史さんほか。この作品とは違う意味での「夏らしさ」を目指したのが『悪霊の棲む館』でした。さて、どんなお話かと言いますと……。

 

28歳の尾形彩子(夏純子)は、深夜のラジオ番組のDJとして、高い人気を誇っていました。プライベートでは、番組ディレクターの天間(村野武範)と交際していましたが、仕事が充実している彩子は、まだ結婚などは考えていないようでした。

それは、彩子の過去にも関係があったのかもしれません。彩子は6年前、ある劇団の研究生として、女優を目指していました。そのころ、彩子が交際していたのは、同じ劇団にいた山崎一男(岸部一徳)という青年でしたが、山崎はある日、別の女性と心中。彩子のお腹には山崎の子どもがいましたが、彼女は堕胎手術を受けたのでした。

さらに遡れば、彩子は幼いころ、母(月丘千秋)に殺されかけたことがありました。父が事業に失敗して自殺したことを原因とした、母の衝動的な行為でした。

幸せからは程遠い人生を歩んできた彩子にとって、DJとしての人気は、成功への第一歩でした。しかし、そんなある日、彩子は番組宛てに届いた葉書の山の中に、幼い子どもの字で書かれた、奇妙な葉書が1枚あるのを発見しました。5~6歳くらいの子どもが書いたと思われる文面でしたが、彩子のことを「お母さん」と呼んでいます。まさか、堕胎したはずの子どもからの手紙……!? ひた隠しにしている過去の出来事ゆえ、知っている人は少ないはずなのに、いったいなぜ、こんな葉書が届いたのでしょうか。彩子は、この葉書を手にした日から、精神が不安定となり、仕事でも失敗が続いてしまいます。さらに、同じ子どもが書いたと思われる葉書が、またも届きました。そこにはなんと、自分の父親は「山崎一男」だと書かれていました。錯乱して倒れた彩子。彼女は休暇をとることになりました。

静養先に選んだのは、天間の別荘でした。束の間、仕事のことを忘れて楽しく過ごす彩子でしたが、天間が一日だけ、仕事で東京へ戻ることに。彩子の心に、不安がよぎります。そして、天間が不在になった途端、彩子の身の周りには、不可解にして奇妙な出来事が起こり続けるのでした。それは彩子の幻覚なのでしょうか? あるいは、何者かが彩子を狙っているのでしょうか!? 彩子はひたすら、天間の帰りを待ちましたが……。

 

……というわけで、ひとりの女性が恐怖によって破滅に近い状況にまで陥っていく姿を夏純子さんが熱演しています。夏さんといえば、1970年代を駆け抜けた人気女優。ジャンルを問わない活躍を見せ、幅広いファンを獲得していました。もし80年代も女優を続けていれば、特に2時間ドラマ全盛の時代にはトップスターに君臨していたのではないかと思いますが、残念ながら、1981年に結婚して引退されました。本作はキャリア末期の作品にあたりますが、この1年後に引退されるなんて、実に惜しい!とあらためて痛感します。

あらすじに登場しなかったキャストとしては、恐怖に怯えた彩子を助ける初老の男性・宮本に大滝秀治さん、その友人の医師に早川雄三さん。こんなところで、『特捜最前線』の船村刑事と、『特別機動捜査隊』の松木部長刑事が共演していました。2人が将棋に興じるシーンがあるのですが、これは大滝さんがプライベートで将棋が趣味だったため、演出に採り入れられたのではないかと思われます。

このほか、まだ当時、子役としてデビューしたばかりで、現在も女優として活躍中の長谷川真弓さんが、印象的な役柄で出演。ここでは役柄を敢えて書きませんが、あらすじをよく読んでいただければ、もしかしたら想像がつくかも……!?

 

監督は近年も水谷豊主演『無用庵隠居奉行』シリーズなどを手がけている吉川一義さん。1980年は他に意外なところで『電子戦隊デンジマン』にも「よしかわいちぎ」名義で参加されていました。脚本の「相里修」は、『特捜最前線』で脚本や監督を務めた藤井邦夫さんのペンネーム。東映側のプロデューサーにも、後に『特捜最前線』を担当される武居勝彦さんが名を連ねています。武居さん、藤井さん、大滝さんと来ると、大滝さんが演じる初老の男性・宮本の「正体」が気になってきますが……これもまた、観てのお楽しみということにしておきましょう。

物語は後半まで、かなりインパクトのあるビジュアルが続きますが、終盤の畳みかけるような展開に、ご期待ください。昭和の「テレビ映画」が好きな方には、「こんな作品もあったのか!」と、きっと喜んでいただけるだろうと思っております。

……それでは、また来月の当コラムにて、お会いしましょう!

 

<8月の『Gメン’75』>

8月が初回放送となるエピソードは、第65話から第72話。第65話「真夏の夜の連続女性殺人事件」などは、初回放送時も夏でしたし、この時期に観るにはぴったりです。ぜひ、ご期待ください!

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年7月】

<放送日時>

『悪霊の棲む館』

8月2日(火)13:00~15:00

8月13日(土)11:00~13:00

8月26日(金)11:00~12:50

 

『大東京四谷怪談』(出演:鰐淵晴子、中島ゆたか、三橋達也)

8月1日(月)23:00~24:30

8月12日(金)11:00~12:30

8月25日(木)13:30~15:00

 

『ステレオ殺人事件』(主演:秋吉久美子)

8月5日(金)11:00~12:00

8月13日(土)5:00~6:00

8月22日(月)14:00~15:00

 

『妻よ安らかに眠れ』(脚本:山田正弘/主演:愛川欽也)

8月5日(金)12:00~13:00

8月16日(火)24:00~25:00

8月27日(土)5:00~6:00

 

『十万分の一の偶然』(監督:藤田明二/出演:田村正和、中谷美紀、岸本加世子)

8月1日(月)13:00~15:00

8月19日(金)11:00~13:00

2022年8月1日 | カテゴリー: その他
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第41回『羆嵐』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1980年の『木曜ゴールデンドラマ』作品より、『人喰熊 史上最大の惨劇 羆嵐』をご紹介します。本作は吉村昭先生による小説『羆嵐』(77年)を映像化したもので、かつて北海道苫前郡苫前村三毛別六線沢で実際に起こった、「三毛別羆事件」がベースとなっています。その「三毛別羆事件」とは……。

 

時は、1915年(大正4年)。北海道の開拓時代。悲劇の舞台は、開拓部落である六線沢でした。最初に羆(ヒグマ)の存在が確認されたのは11月のことでしたが、その時点では、具体的な対策は講じられませんでした。そして12月9日、ついに羆による被害者(2名)が出ます。最悪の事態が生じたのは、翌日の12月10日のことでした。さらなる被害者は5名。ここから本格的な対策が打たれ始めたものの、羆の動きを捉えることは容易ではなく、組織された討伐隊も苦戦を強いられます。さまざまな予想外のアクシデントが続く中、討伐隊とは別行動をとっていたひとりの猟師が羆を射殺したのは、12月14日。この日から現地を襲った激しい吹雪は「羆風」もしくは「羆嵐」と呼ばれ、語り継がれたのでした。

小説『羆嵐』も、またテレビドラマ版『羆嵐』も、フィクション作品とはいえ、史実の重要な部分はしっかり押さえられたものとなっていますが、より正確な事実に興味のある方には1994年に発表された書籍『慟哭の谷 戦慄のドキュメント 苫前三毛別の人食い熊』をオススメします。

 

というわけで、今回は作品の特質を考え、従来のような「あらすじ紹介」は省かせていただきました。ドラマ『羆嵐』は、一連の事件をドキュメンタリータッチで描いていきます。この種の作品の場合、羆(熊)をどう表現するかという部分が重要となってくるのですが、本作は絶妙な編集やカメラワークを駆使して、狂暴なる羆の怖ろしさを見事に描きました。羆による被害者が出る「12月9日」と「12月10日」のシーンは、当時のテレビとしてもぎりぎりの凄惨さ。しかし、この一連があるからこそ、後半における「大自然を前にしたときの人間の無力さ、愚かさ」というテーマが活きてくるのです。本作のような題材を、テレビドラマとして放送していた時代が確かに存在した、ということが今回の放送で広い層に伝わってくれれば、と思っています。

主人公の猟師・山岡銀四郎を演じたのは三國連太郎さん。熊を仕留める実力は随一であるにもかかわらず、その性格ゆえに周囲から敬遠されている銀四郎は、三國さんが演じたことで、絶大な存在感を得ました。このほか、開拓民たちの期待を背負って現地入りする分署長を演じた石橋蓮司さんも適役。初登場シーンからして、「この人は大したことないんだろうなぁ」と思わせてくれます。羆に身内が殺されたことで、開拓民たちの中でも羆に対して猛烈な敵意を燃やす人物を演じているのは森田健作さん、前田吟さん。このほか、安定した演技力の大坂志郎さん、小林稔侍さんらが脇を固めました。冒頭のラストの「語り」は、当時『まんが日本昔ばなし』でもおなじみだった常田富士男さんが担当しています。

 

監督は、1978年に『冬の華』、1979年に『日本の黒幕(フィクサー)』を発表していた降旗康男さん。面白いことに、『羆嵐』のラジオドラマ版では、脚本に倉本聰さん、主演に高倉健さんと、『冬の華』で降旗監督とコンビを組んだ2人が参加していました。1981年にも倉本さん、降旗監督、高倉健さんで『駅 STATION』が公開されていることを考えると、世が世なら『羆嵐』がこのトリオで映画化されることもあり得たのかもしれません。

東映からは秋田亨さん、三堀篤さん、七条(七條)敬三さんという3名のプロデューサーが参加。よみうりテレビ側は池頭俊孝さんが担当されました。池頭さんと七条さんの名前の並びに既視感があったのですが、おふたりはまだ「制作担当」という肩書きだった時代に、『超人バロム・1』(72年)に参加されていたんですね。七条さんは後に東映動画(現:東映アニメーション)へ異動。1981年には『Dr.スランプ アラレちゃん』の企画者としてクレジットされているので、『羆嵐』は東映所属時代の最後の作品だったかもしれません。

そして三堀さんは東映の劇場作品の監督として『非情学園ワル』シリーズ(73~74年)や『太陽の恋人 アグネス・ラム』(76年)などを手がけた後、企画者に転じて、1979年には家城プロの製作、東映の配給で『わが青春のイレブン』を製作(脚本は家城巳代治さん)。この作品の監督が降旗さんでした。1980年代に入っても三堀さんは『ひとひらの雪』(85年)、『化身』(86年)、『桜の樹の下で』(89年)などの話題作を企画しています。

 

本作は、序盤の凄惨な「人喰い」シーン、メインとなる「羆と人間の対決」シーンもさることながら、銀四郎が羆を射殺した後の「エピローグ」も見どころです。銀四郎と他の登場人物たちの「相容れない」雰囲気は、本作が視聴者に訴えたかったテーマを感じさせてくれます。人間は、日本人は……この事件から何を学ぶべきなのでしょうか。

……それでは、また来月の当コラムにて、お会いしましょう!

 

<7月の『Gメン’75』>

7月が初回放送となるエピソードは、第57話から第64話。注目はなんといっても、第59話から第61話までの「沖縄ロケ三部作」です。当時、放送された時期もちょうど7月だったので、この時期に観るには、まさにうってつけ。内容はどこまでもヘビーですが、『羆嵐』と同様、「テレビドラマはここまでやれるのか」と思わせてくれる名作です。ぜひ、ご期待ください。

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年7月】

<放送日時>

『羆嵐』

7月1日(金)11:00~13:00

7月14日(木)22:00~23:50

7月22日(金)11:00~13:00

 

『極刑』(主演:草笛光子)

7月15日(金)11:00~13:00

7月29日(金)11:00~13:00

 

『傑作推理劇場 死ぬより辛い』(脚本:池田悦子/監督:佐藤肇/主演:秋野暢子)

7月8日(金)11:00~12:00

7月19日(火)5:00~6:00

 

『傑作推理劇場 ラスト・チャンス』(脚本:松田寛夫/監督:小澤啓一/主演:原田芳雄)

7月8日(金)12:00~13:00

7月16日(土)13:00~14:00

2022年7月1日 | カテゴリー: その他
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                              第40回『悪魔が忍び込む』

今月で第40回を数えた「東映テレビドラマLEGACY」。今後もご愛読のほど、よろしくお願いします。さて、今回ご紹介するのは1985年の『火曜サスペンス劇場』作品より、『悪魔が忍び込む』です。放送日は7月2日で、この回より、エンディング・テーマが1年ぶりにリニューアルされ、3代目の「橋」から4代目の「25時の愛の歌」へと代わりました。『火サス』のエンディング曲は1981年の番組スタートから1987年の秋まで、6年間にわたって岩崎宏美が歌唱を担当。「25時の愛の歌」は、初代の「聖母(マドンナ)たちのララバイ」に続いて長く使用された曲なので、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。ちなみに、1985年7月当時の『火サス』の裏番組にはフジテレビ『なるほど!ザ・ワールド』のほか、TBS『サーティーン・ボーイ』(主演:岡本健一)、テレビ朝日『ただいま絶好調!』(主演:舘ひろし)などがありました。

 

看護師として働いていた佐藤すみ子(浜木綿子)は、最初の結婚で長女・しのぶ(早川美也子)を産みましたが、夫と死別。女手ひとつで娘を育てていくため、クラブで働くようになりました。あるとき、すみ子は店長の冬木(睦五郎)から再婚の話を持ちかけられます。相手は、大手企業で部長を務める岩渕勝(伊東四朗)でした。岩渕は、すみ子に一目惚れ。しのぶという娘がいることも承知で、彼女との結婚を望んでいました。やがて、すみ子は勝の母・チカ(清川虹子)とも会い、岩渕との結婚と、チカと勝が暮らす家での同居を決断します。しのぶも、すでに小学生になっていました。

ところが、ある時期を境に、チカは急に、すみ子やしのぶに冷たくあたるようになりました。老人会でチカと仲良くしている吉川(浅香光代)という女性からも、すみ子は嫌味を言われる始末。どうやらチカは、あることないこと、老人会で仲間たちに吹聴しているようでした。なぜ、チカの態度が急変したのか? その時点では、すみ子には全くわかりませんでした。義母や自分をいじめるチカへの嫌悪感から、しのぶはチカに対し、激しく反抗するようになります。しかし、その程度のことで、チカが怯むことはありませんでした。

ただし、チカは持病を抱えていました。狭心症です。すみ子がチカを病院へ連れて行ったところ、武内医師(横光克彦)は2種類の薬を出してくれました。武内は、すみ子が元・看護師だと聞き、「力強い味方がいる」とチカを励ましますが、そんなことで、チカのすみ子に対する感情は変わりません。むしろチカは、自分がすみ子に殺されるかもしれない、などと人聞きの悪いことを遠慮なく、言い出すようになっていきます。

そしてまた、ある日のこと。チカは、しのぶの反抗的な態度に腹を立て、そのために狭心症の発作を起こしました。すみ子が外出していたこともあり、チカは自分で急いで薬を探しますが、なぜか、置いてあるはずの場所に薬が見つからず……!

 

というわけで、ここまで読んでいただいた方は、この作品に「嫁・姑の関係を軸にしたサスペンス」といった印象を抱かれたことでしょう。それ自体に間違いはありません。「嫁」であるすみ子に対して、これでもかと悪態をつくチカ。清川虹子さんの、「一般視聴者に嫌われても構わない」と言わんばかりの熱演ぶりが光ります。当時、すでに70歳を過ぎていたとはいえ、本作の2年前に映画『楢山節考』に出演するなど、第一線で活躍を続けていた清川さんに加え、劇中のチカの「援軍」として、剣劇女優として知られた浅香光代さん(老女・吉川役)も参戦しているのですから、すみ子も分が悪そうです。ひたすら耐え続ける、すみ子。彼女にとって最大の味方は娘のしのぶであり、また夫の岩渕勝であるはずなのですが、しのぶの態度が母・チカを苦しめている一因になっていると考えた勝はやがて、しのぶに対しても疑念を持つようになり、すみ子と勝の間にも、深い溝が……。

 

そんな本作ですが、前半で張られていた伏線が、後半で見事に回収されていきます。密度的には、後半は前半の倍くらいのイメージ。チカのすみ子に対する態度が急に変わった原因は何か? 大事な薬の置き場所は、どうして変わっていたのか? そして、それは「誰」が変えたのか? さまざまな謎が明らかになっていくのと並行して、憎しみが支配していた物語の中から「愛」が見えてくるという構造が秀逸で、「嫁・姑の話は苦手だな……」という方にも、ぜひご覧いただきたい作品となっています。もちろん、タイトルに「悪魔」と入っているように、人間の<悪意>もポイントなので、随所で発見できる<悪意>の巧みな描かれ方にも、ご注目ください。

最後に、例によって、ストーリー紹介部分で触れられなかった、他のキャストについて紹介しておきましょう。勝の兄で、チカとの同居を拒否していた岩渕修を演じたのは、穂積隆信さん。老人会「憩いの家」における長老格の老人を演じたのは、当時87歳の佐々木孝丸さんでした。資料によれば、本作が長いキャリアにおける最後の作品である可能性が高そうです。後半、重要な「証言者」として登場する堀川朋子を演じたのは、1980年代の時代劇や刑事ドラマでは欠かせない存在だった佐藤万理さん。しのぶが通う小学校の用務員は相馬剛三さんが演じています。

……それでは、また来月の当コラムにて、お会いしましょう!

 

文/伊東叶多(Light Army)

 

<6月の『Gメン’75』>

6月が初回放送となるエピソードは、第47話から第56話。第47話「終バスの女子高校生殺人事件」は、ラストで明かされる事件の「真相」に衝撃を受けること間違いナシの傑作回です。その他にも第49話「土曜日21時のトリック」や、第56話「魚の眼の恐怖」など必見回が続々登場。ぜひ、ご期待ください。

 

【違いのわかる傑作サスペンス劇場/2022年6月】

<放送日時>

『悪魔が忍び込む』

6月3日(金)11:00~12:50

6月14日(火)21:30~23:30

6月27日(月)21:30~23:30

 

『女が見ていた』(監督:鷹森立一/主演:泉ピン子)

6月2日(木)13:00~15:00

6月10日(金)11:00~13:00

6月23日(木)22:00~24:00

 

『異人館の遺言書』(原作:和久峻三/出演:フランキー堺、春川ますみほか)

6月16日(木)11:00~12:00

6月24日(金)11:00~12:00

 

『暗い穴の底で』(原作:菊村到/脚本:長坂秀佳/監督:天野利彦/主演:近藤正臣)

6月17日(金)11:00~12:00

6月24日(金)12:00~13:00

2022年5月31日 | カテゴリー: その他
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