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むちゅー刑事
本名:ヒライズミ
棲息地(勤務地):「警視庁銀座懲怒街警察署刑事課
特徴:映画、ドラマに精通し、旨いメシ旨い酒にうるさい。
好きな言葉:「ドブネズミみたいに美しくなりたい」アーカイブ
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月別アーカイブ: 2019年7月
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チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第6回『超高層ホテル殺人事件』
今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、『土曜ワイド劇場』の1982年作品『超高層ホテル殺人事件』をご紹介します。1982年の『土ワイ』は、1月2日の3時間スペシャル『天国と地獄の美女』からスタート。この作品は、天知茂さん主演の「明智小五郎」シリーズ(=江戸川乱歩の美女シリーズ)の中でも最大級のスケールで描かれた作品であるとともに、40年近く前のこととはいえ、よくこれが「お正月特番」としてオンエアされたものだと驚いてしまうような、ぶっ飛びまくった作品でした。ちょうど東映チャンネルでは『宇宙刑事ギャバン』も放送していますが、『ギャバン』がスタートする約2ヶ月前の叶和貴子さんの「熱演」も、『天国と地獄の美女』の伝説のひとつとなっています。
『超高層ホテル殺人事件』は、この『天国と地獄の美女』の翌週に放送された、新年第2弾作品。原作が森村誠一先生、主演が田村正和さんという強力ラインナップでした。
戦後の経済界の巨人・猪原(いはら)留吉の息子である杏平(田村正和)は、父の死後、イハラコンツェルンの2代目社長となりました。しかし、若き社長に対する風当たりは強く、都心の超高層ホテル「イハラネルソン」はアメリカのネルソン社の資金援助を受けて経営されるはずだったのですが、ネルソン社のトマス・ソレンセン(ライナー・ゲッスマン)は、その約束を反故にしようとします。激昂した杏平は激しい殴り合いの末、ソレンセンを完成したばかりのホテルの16階から突き落としてしまいました。間もなく、前夜祭レセプションが始まる時間だというのに――。
目撃者は、秘書課長の大沢(内田勝正)のみ。大沢は、「後はなんとかします」と言って杏平を送り出しました。やがて始まるレセプション。ところが、会場でホテルの全景が映し出されたとき、ホテルから人が転落したのです。レセプションに集まった客たちは驚愕しますが、最も驚いていたのは杏平でした。地上で発見された死体は、ソレンセンのみ。ソレンセンはホテルから「二度落ちた」のでしょうか……!?
なんとも、興味をそそる導入部です。この「二度落ちた」謎だけでも、新年第2弾作品の「格」としてはじゅうぶんな気がしますが、ここから、さらに事件は複雑化していくのです。考えてみれば、これだけなら「2代目社長の軽率な犯罪」で終わってしまうわけですが、ドラマは、戦後の日本の高度経済成長も背景に入れつつ、複雑な人間関係をこれでもかと抉るように描いていきます。ラスト数分までテンションが落ちない構成は、なかなか絶妙なものだったと言えるでしょう。原作の森村先生が元・ホテルマンだったというのは、推理小説ファンには有名な話。江戸川乱歩賞を受賞し、出世作となった「高層の死角」も本作と同様、ホテルを舞台にした作品でした。本作の原作は「高層の死角」の2年後である1971年に発表。ちょうど「京王プラザホテル」(地上47階)がオープンした年で、実にタイムリーな作品だったと言えます。映像化は、1976年の映画が最初。このときは、杏平役を近藤正臣さんが演じていました。
原作では、「ホテルの部屋から人が落ちた」事件がそもそもの発端となっているため、その「密室トリック」が主な焦点となるのですが、『土ワイ』版では、最初から犯行(事故に近いですが)の一部始終を視聴者に見せることで、この「密室トリック」の興味を捨てているのが、なんとも大胆です。杏平の父・留吉も、ドラマが始まる以前に亡くなっている設定なので、杏平という主人公の人物像が、主演である田村正和さんの演技に、より委ねられる形になっています。『古畑任三郎』シリーズで、犯人を「追いつめていく」側の田村さんのイメージが強いですが、逆の立場の田村さんを楽しめるのが、本作の大きなポイントの一つでしょう。また「追いつめていく」側の刑事役も、那須警部役の佐藤慶さんをはじめ、本作の放送後に『西部警察PART-Ⅱ』(82年)にレギュラー出演することになる井上昭文さんや、70年代に『刑事くん』シリーズ(71~76年)で「島さん」こと島崎刑事を演じていた守屋俊志さんといった、豪華なキャスティングとなっています。
この他のキャストは、杏平のかつての恋人で、杏平が結婚した後も不倫関係を続けている是成友紀子役に、結城しのぶさん。友紀子も結婚しているので、いわゆる「W不倫」ということになりますが、杏平も友紀子も「政略結婚」で引き裂かれているため、この2人の「深い愛」が、最後まで事件のカギとなっていきます。
杏平をサポートする木本専務役は、横内正さん。当時、横内さんは『土ワイ』の前の時間帯で放送されていた『吉宗評判記・暴れん坊将軍』(78~82年)で大岡忠相(越前)を演じていましたが、本作では、この大岡とはまた違った顔を見せています。
杏平のライバルにあたる浅岡役の西沢利明さん、レセプションに出席している大臣役の伊豆肇さんなどもハマり役。それぞれ、出番が少なめなのが惜しまれるところです。
なお、本作でも、先月ご紹介した『0計画(ゼロプラン)を阻止せよ』と同じく、特撮スタッフがクレジットされています。ホテルからの転落シーンの合成が該当場面ですが、さすがに現在の視点で観ると少々厳しい出来ながらも、当該シーンのビジュアルが視聴者に与えたインパクトは、決して小さくなかったと思われます。
そして、細かい点では、ラスト近くでなぜか、70年代の東映アクションドラマ『ザ・ボディガード』のテーマ曲アレンジBGMが流用されていたりしますので、このコラムを読んでくださっているような方々には、たまらないのではないかと……。
それでは、また次回へ。なお、8月の「違いのわかるサスペンス劇場」では、本作のほか、やはり森村誠一先生の原作による1984年の『火曜サスペンス劇場』作品「行きずりの殺意」(出演:浜木綿子、船越英一郎、松尾嘉代ほか)も放送されます。こちらもぜひ!
文/伊東叶多
<放送日時>
『超高層ホテル殺人事件』
8月10日(土)13:00~15:00
8月24日(土)13:00~15:00
『行きずりの殺意』
8月3日(土)13:00~14:50
8月17日(土)13:00~14:50
8月31日(土)13:00~14:50
2019年7月22日
カテゴリー: その他
その他
チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第5回 『0計画(ゼロプラン)を阻止せよ』
今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、『土曜ワイド劇場』の1979年作品『0計画(ゼロプラン)を阻止せよ』をご紹介します。『土ワイ』はスタート当初(1977年7月)から1979年4月まで、2年近くの間はいわゆる「2時間ドラマ」でなく、「90分ドラマ」でした。本作は1979年3月の放送作品でしたが、特例的に2時間枠で放送。それだけ力が入れられていたことがうかがえます。
ある朝、ルポライターの左文字(黒沢年男)が目を覚ますと、留守番電話に友人のカメラマン・高田(加藤健一)からの切迫したメッセージが残されていました。しかし、“0計画(ゼロプラン)”“2月”というキーワードが聞き取れたのみで、他の詳しいことは何も分かりません。いったい高田は左文字に何を伝えたかったのでしょうか……。
その高田が死体で発見されたという報を受けて、左文字は旧知の新宿署・矢部警部(織本順吉)を訪ね、捜査に協力したいと申し出ますが、矢部はこれを拒否。左文字は当面、単独で高田の死の謎と、“0計画”&“2月”が意味するものを探っていくことになりました。
そのころ、伊豆七島の「神波島」(※架空の島名です)の診療所で、ひとりの医師が“0計画”の始動準備を終えようとしていました。医師の名は神崎(児玉清)。かつて国立中央総合病院の内科部長の座を目の前にしながら、派閥争いでライバル(佐原健二)に敗れた男でした。神崎による、あまりにも大胆な「復讐劇」が幕を開ける中、まだ新宿署も左文字も事件の真相に辿り着けずにいました……。
……というのが、本作の序盤のあらすじです。冒頭で、メインタイトルの後に表示されるサブタイトルは「総理大臣誘拐!!」。そう、「0計画」とは首相の誘拐によって多額の身代金を手に入れることなのですが、いったい神崎はどのような方法でSPたちにガードされた首相と接触するのか、また左文字や警察はどうやって犯人に辿り着くのか……といった点が本作の見どころとなります。
原作は西村京太郎先生の「左文字シリーズ」の1本で、1977年に刊行された「ゼロ計画を阻止せよ」。左文字が初登場したのは1976年の「消えた巨人軍」で、こちらは1978年に、すでに実写ドラマ化されていました。このときの左文字役は藤岡弘、さん。ヒロインの史子(水沢アキ)は矢部警部(大坂志郎)の次女で、左文字のフィアンセという設定になっていました。本作では、史子(長谷直美)は左文字の妹。ちなみに原作(左文字と史子はすでに夫婦となっている)では、左文字家の夫婦喧嘩の末に、事務所を飛び出した史子が、犯行グループを裏切って逃げてきた男から「0計画」のことを偶然に聞いてしまう、という展開でしたが、この部分は上記のあらすじのように変更されました。
さて、本作で特に光るのが、神崎役の児玉清さんです。児玉さんといえば、東宝の二枚目スターとして活躍した後、1970年代前半は『ありがとう』などの人気ホームドラマに立て続けに出演。1975年からは『パネルクイズ アタック25』の司会も務めていました。本作では、そんな当時のパブリックイメージを覆すような熱演。出世コースを外れてしまった男の悲哀と執念を見せつつ、インテリらしいクールさも兼ね備えた、的確な役作り。観ているうちに、児玉さんが演じる神崎のほうに、ついつい感情移入してしまいます。
また珍しいのは、特撮スタッフがクレジットされていることです。該当場面は、(ミニチュアの)ヘリコプターの爆発シーン。ダイナマイト爆破のシーンでは、東映の子ども向け特撮番組からのライブラリー(流用)・フィルムも使用されているようです。特撮監督としてクレジットされているのは矢島信男さんと佐川和夫さん。いずれも日本の特撮映像界の大御所です。なお、全くの偶然でしょうが、本作の放送日(1979年3月3日)は、スーパー戦隊シリーズに初めて「巨大ロボット」が登場した『バトルフィーバーJ』第5話「ロボット大空中戦」が放送された日でもありました。この作品の特撮監督も、矢島さんと佐川さんが連名で手がけています。
そして、ドラマファンはやはり本作でも、多彩なバイプレーヤーたちの登場に目を奪われることでしょう。「影の長老」と呼ばれる、政界の黒幕役の内田朝雄さんなどは、まさにハマり役。その他の政界関係者たちに扮するのも、「おなじみの顔ぶれ」と言えるベテラン陣です。若手(当時)では、神崎の計画に協力する共犯者として片桐竜次さん、辻萬長さん、風戸佑介さんが出演。風戸さんは本作の後、早々に引退されましたが、片桐さんは『相棒』シリーズで、辻さんは『いだてん』や『なつぞら』などのドラマで、近年も活躍されていますね。
それでは、また次回へ。なお、7月の「違いのわかるサスペンス劇場」では、本作のほか、1983年の『火曜サスペンス劇場』作品である「夕陽よ止まれ」(出演:丹波哲郎、野際陽子、紺野美沙子ほか)も放送されます。時期的には、長寿番組となった『Gメン』シリーズを終えたころの丹波さんが、『Gメン』の“ボス”とは異なるイメージの主人公を好演した作品で、味わい深い演技を見せてくれています。こちらもぜひ、ご覧になってみてください!
文/伊東叶多
<放送日時>
『0計画(ゼロプラン)を阻止せよ』
7月6日(土)13:00~14:50
7月20日(土)13:00~14:50
『夕陽よ止まれ』
7月13日(土)13:00~15:00
7月27日(土)13:00~14:50
2019年7月2日
カテゴリー: その他
かめぽん
チューもく!! 日野所長、マリコさんに翻弄されつつも頑張る、上司の鏡
「科捜研の女」大好きです。好物です。沢口靖子さん演じる榊マリコ、リアルで同僚だったら本当に辛い。マイペース、人の言うこと聞かない、自分勝手、走り出したら止まらない(^_^;)。そんなマリコさんに上司や同僚たちはなんと深い愛を示すのだろうか。で、日野所長。文書鑑定の専門家として招かれ、着実に実績を積み所長へと昇進。だが、長時間労働で心疾患になって死にそうになったりと、苦労だらけ。マリコさんたち部下と上役に挟まれ四苦八苦する場面も。…頑張れ!所長!
今月は「科捜研の女スペシャル」と題して、シーズン3、4の初回スペシャルと5、6の最終回スペシャルを放映。マリコさんに酷使される日野所長(まだこの頃は所長じゃないけど)をはじめとする同僚たちを応援したい。
今月は夏休み目前、ONE PIECE STAMPEDE 公開記念 ワンピース スペシャル Vol.1。「デジモンアドベンチャー THE MOVIE!」はかめぽんの後輩がリアル世代。子供の頃観ていた作品、いまも楽しめるなんて、いい時代だ。かめぽんは朝ドラで話題の「白蛇伝」←DVDあるんだけど、を観るぞ!
「東映時代劇スター列伝Vol.4 東千代之介」。千代之介さんのはんなりした風情が好き。仇討ちもの元祖の「曽我兄弟 富士の夜襲」は必見。
他にも特撮、時代劇、任侠もの、アニメと盛りだくさん。大人にはちょっぴりお色気のラインナップも。暑い夏はスカッとする作品で乗り切ろう。
今月も、わくわくな東映チャンネルをお見逃しなく〜
2019年7月1日
カテゴリー: かめぽん