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むちゅー刑事
本名:ヒライズミ
棲息地(勤務地):「警視庁銀座懲怒街警察署刑事課
特徴:映画、ドラマに精通し、旨いメシ旨い酒にうるさい。
好きな言葉:「ドブネズミみたいに美しくなりたい」アーカイブ
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チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第16回『運命の旅路』
今月の「東映テレビドラマLEGACY」は先月と同じく1980年の「土曜ワイド劇場」作品より、11月の「ゴールデン推理」第3弾として放送された『運命の旅路 謎の特急出雲1号』をご紹介します。原作は、1966年に「殺人の棋譜」で第12回江戸川乱歩賞を受賞された斎藤(本作のクレジットでは「斉藤」)栄先生が1978年に発表した作品です。この作品の後、斎藤先生は「運命の死角」(79年)、「運命の青春」(81年)を発表。「運命の旅路」と合わせて「運命三部作」と位置づけているそうですが、それぞれの物語に、特につながりはありません。「土曜ワイド劇場」では「運命の死角」のほうが先に映像化され、本作の約2ヶ月前、『35年目の亡霊 学童疎開殺人事件』というタイトルで放送されました。こちらは東映ではなく、東通企画の製作。脚本・佐々木守、監督・真船禎という興味深いスタッフによる作品なので、機会があれば、観てみたいものです。
中年にさしかかった男と、若い女が、ドライブデートで湖へやってきました。男は、明正大学医学部の助教授になったばかりの斑目英夫(河原崎建三)。女は、明正大学文学部の学生・山崎和子(竹井みどり)でした。
2人は男女の関係で、和子は英夫に対して、結婚を迫っていました。「大学教授夫人になるのが夢だった」と、無邪気に話す和子。しかし、どうやら彼女は恋愛感情というより、割り切って地位のほうを重要視したようです。英夫にしてみれば、学生との結婚にはリスクがありました。自分の将来に関わるので、穏便に別れたいと思っていたようですが、和子はそれを許そうとしません。そこで英夫は、完全犯罪を成功させるために、和子を湖まで連れてきたのでした。ボートから和子の死体を湖に沈めた英夫。彼の目的は、達成されたかに思われました。
しかし、英夫が自宅へ戻ると間もなく、医学部の学生・雲井孝一(山本茂)が訪ねてきました。なんと孝一は和子の恋人で、英夫と和子のドライブを、こっそり追いかけていたのです。当然、英夫が犯行に及ぶところも、和子の死体を捨てるところも目撃。怒りがおさまらぬまま、孝一は英夫のところへ押しかけたのでした。
孝一は、英夫を脅迫します。最初は一千万円、2回目も一千万円、さらに今度は二千万円……。さすがに英夫も、いつまでも孝一の言うことを聞いていられなくなりました。ただ、孝一にしてみれば、お金が目的というより、恋人を奪われた怒りと恨みのほうが強いようです。追いつめられた英夫は、孝一も殺してしまおうと考え始めました……。
ここまでが本作のプロローグです。主演キャストは高峰三枝子さんと丘みつ子さんなのですが、オープニングのタイトルバックまでは2人とも一切、登場しません。初期の2時間ドラマらしい構成と言えるでしょう。後に、いわゆる「シリーズもの」が増えると、視聴率対策として、「おなじみのレギュラーたち」は冒頭から何らかの形で画面に登場することを余儀なくさせられていきます。それはそれで正しいアプローチではありますが、サスペンスとしての緊迫感を出すうえでは、本作のような導入のほうが相応しいのではないでしょうか……。あくまで、一個人の意見ではありますが。
さて、雲井孝一には旅行という趣味がありました。亡くなった雲井画伯の息子である孝一は、医学部に在籍しているものの、本来は医者になりたくなかったようです。姉・寿江(丘みつ子)は父がやっていた画廊を引き継ぎ、孝一の学費なども面倒を見てきました。寿江の心配をよそに、孝一はまた旅行へ行ってくると言い出します。彼は高名な旅行評論家である望月綾子(高峰三枝子)に憧れており、綾子のような紀行文が書きたいと思っていました。そこで孝一は大胆にも、パーティに出席していた綾子に直接、「自分の旅のアイデアを聞いてほしい」と申し出ました。一瞬、怯んだ綾子でしたが、意外と親切に、孝一の相談に乗りました。綾子のアドバイス通りの旅をすることを決め、出発した孝一。しかし彼は数日後、他殺死体で発見されることになります。それも、なんと寿江の部屋で……。
当然ながら、寿江は困惑します。旅行中も、元気な声で電話をくれていた孝一が、なぜ殺されてしまったのか。孝一が、恋人を殺した英夫を脅迫していたことも知らず、事件の謎を解くべく、まずは孝一が旅したルートをそのまま辿ってみようと考えた寿江。出発する前に孝一が綾子に相談していたことを知り、寿江は綾子と接触しますが、綾子もまた責任を感じたようで、忙しい仕事の合間を縫って、寿江と同行することを決めました。自分の旅行の知識が、謎の解明に役立つのではないかと考えたからです。
こうして寿江と綾子は、ちょっと不思議な二人旅に出ました。綾子の協力によって、孝一が殺されるまでの行動が、次第に判明していきます。そんな中、孝一とたびたび電話で話していたという、謎の女性の存在も浮かび上がってきました。それは、いったい誰なのでしょうか。まさか、殺されたはずの和子が生きている!? そして、(視聴者側からすれば)最も怪しい存在の英夫もまた、寿江と綾子の行動をひそかにマークしていて……。
山陰・山陽地方へのロケーションを敢行。物語の焦点は、「寿江と綾子が孝一の足取りを辿っていく」部分です。英夫を脅迫していたとはいえ、寿江にとっては、孝一はかけがえのない、たったひとりの弟。なんだか、観ていると冒頭で英夫に殺された和子がいちばん悪女のようにも思えてくるのですが、そんな部分も含め、「人間にはいろいろな顔がある」というのが、本作のテーマかもしれません。やがて判明する、意外な真犯人(=英夫の共犯者)の正体とは? 犯人側がアリバイを作るために仕組んだ、ある大胆なトリックについても注目です。ちなみに、タイアップ先として劇中に登場する山口県・湯田温泉の「ホテルかめ福」は現在、建て替え工事のため休業中。予定では2021年11月に再オープンし、ホテルの名称自体も変更されるそうです。
あらすじ部分に登場しなかったキャストとしては、捜査チームの中心的存在である万代警部役に関口宏さん。その他、捜査班の顔ぶれには鈴木瑞穂さんや相馬剛三さんがキャスティングされています。綾子に原稿を発注している旅行雑誌の編集長役は井上昭文さん。孝一が宿泊した旅館の女将役は、当時すでに『ドラえもん』の声優として高い評価を得ていた大山のぶ代さんが演じていました。また、ホテルマン役で出演している轟謙二さんは、本作のロケコーディネーターも兼任されていたものと思われます。
それでは、また次回へ。なお、6月の「違いのわかるサスペンス劇場」では本作のほか、1987年の『現代恐怖サスペンス』より『向田邦子の鮒』(監督:吉川一義/出演:井上順、香山美子ほか)、1994年の『愛と疑惑のサスペンス』より『レベル7~空白の90日~』(原作:宮部みゆき/出演:浅野ゆう子、平幹二朗、永作博美ほか)も放送されます。これらの作品群もぜひ、ご堪能ください!
文/伊東叶多
<放送日時>
『運命の旅路』
6月6日(土)13:00~15:00
6月11日(木)20:00~22:00
6月17日(水)22:00~24:00
6月20日(土)13:00~15:00
『向田邦子の鮒』
6月13日(土)13:00~14:00
6月27日(土)14:30~15:30
『レベル7~空白の90日~』
6月13日(土)14:00~15:30
6月27日(土)13:00~14:30
2020年5月18日
カテゴリー: その他
かめぽん
チューもく!! ステイホーム、いまこそ映画の力を見せつけよう
いつもなら浮かれて楽しいゴールデンウィーク。今年はそうも言っていられない。何度も耳にしたであろう、ステイホーム。おうちにいよう。かめぽんもお仕事以外は食品の買い出しと、体力維持のための近所の散歩以外家にいる。朝からザ・スーパーガールを観ながら家事をしたりしている。かめぽん、リアルタイムではこの番組を知らなかった。出演されている方々が懐かしく、そして昭和なお色気(笑)を楽しんでいる。
ちょっともやもやした気持ちを抱えた5月、かめぽんはこころ惹かれる特集を発見。「時代劇で学ぼう!春の交通安全スペシャル」。なんですか、これ(笑)すごく興味がある黄門さまが、お奉行さまが、交通ルールを教えてくれるのだ。「水戸黄門のお年寄りの交通安全」「大岡越前のお年寄りの交通安全」「鞍馬天狗のお年寄りの交通安全」「かげろうお銀のお年寄りの交通安全」の4本立て。わくわくするではないか。なかなか観る機会のない作品、楽しみたい。
今月も極妻に麻雀放浪記、ライダー特集に「追悼特別企画 俳優・梅宮辰夫 Vol.3」、サスペンスに時代劇、アニメも。時代劇ではかめぽん大好きな新選組特集もあるぞ。千恵蔵、右太衛門両御大の近藤勇は迫力満点。見比べるのも楽しい。「東映動画 名作アニメ劇場」で放映の「サイボーグ009(劇場版) 4Kリマスター版」も楽しみ。「赤いマフラー、なびかせて〜♪」な主題歌は大好きなのだが、映画版を観るまでユニフォームの色が実感できなかった。だって、モノクロテレビだったから(TV版もモノクロ制作だったし)。あー、こういうカラーリングなんだ!と子供心に納得した思い出が(笑)
今月もわくわくな東映チャンネルをお見逃しなく〜
2020年5月1日
カテゴリー: かめぽん