サイト内検索
むちゅー刑事
本名:ヒライズミ
棲息地(勤務地):「警視庁銀座懲怒街警察署刑事課
特徴:映画、ドラマに精通し、旨いメシ旨い酒にうるさい。
好きな言葉:「ドブネズミみたいに美しくなりたい」アーカイブ
- 2024年11月 (1)
- 2024年10月 (1)
- 2024年9月 (1)
- 2024年8月 (1)
- 2024年7月 (1)
- 2024年6月 (1)
- 2024年5月 (1)
- 2024年4月 (1)
- 2024年1月 (1)
- 2023年12月 (1)
- 2023年11月 (1)
- 2023年10月 (1)
- 2023年9月 (2)
- 2023年8月 (1)
- 2023年6月 (1)
- 2023年5月 (2)
- 2023年4月 (1)
- 2023年3月 (2)
- 2023年2月 (1)
- 2023年1月 (1)
- 2022年12月 (2)
- 2022年11月 (1)
- 2022年10月 (2)
- 2022年9月 (1)
- 2022年8月 (2)
- 2022年7月 (2)
- 2022年6月 (1)
- 2022年5月 (1)
- 2022年4月 (3)
- 2022年3月 (2)
- 2022年2月 (3)
- 2022年1月 (1)
- 2021年12月 (2)
- 2021年11月 (2)
- 2021年10月 (3)
- 2021年8月 (2)
- 2021年7月 (2)
- 2021年6月 (3)
- 2021年4月 (3)
- 2021年3月 (2)
- 2021年2月 (2)
- 2021年1月 (2)
- 2020年12月 (2)
- 2020年11月 (2)
- 2020年10月 (2)
- 2020年9月 (2)
- 2020年8月 (2)
- 2020年7月 (2)
- 2020年6月 (3)
- 2020年5月 (2)
- 2020年4月 (2)
- 2020年3月 (2)
- 2020年2月 (2)
- 2020年1月 (1)
- 2019年12月 (2)
- 2019年11月 (2)
- 2019年10月 (2)
- 2019年9月 (2)
- 2019年8月 (2)
- 2019年7月 (3)
- 2019年6月 (1)
- 2019年5月 (2)
- 2019年4月 (2)
- 2019年3月 (2)
- 2019年2月 (2)
- 2019年1月 (1)
- 2018年12月 (1)
- 2018年11月 (1)
- 2018年10月 (1)
- 2018年8月 (1)
- 2018年7月 (1)
- 2018年6月 (1)
- 2018年5月 (1)
- 2018年4月 (1)
- 2018年3月 (1)
- 2018年2月 (1)
- 2018年1月 (1)
- 2017年12月 (2)
- 2017年11月 (1)
- 2017年9月 (2)
- 2017年8月 (1)
- 2017年7月 (1)
- 2017年6月 (1)
- 2017年4月 (1)
- 2017年3月 (1)
- 2017年2月 (1)
- 2017年1月 (1)
- 2016年12月 (1)
- 2016年11月 (1)
- 2016年10月 (1)
- 2016年8月 (1)
- 2016年7月 (1)
- 2016年6月 (1)
- 2016年4月 (1)
- 2016年3月 (3)
- 2016年2月 (1)
- 2016年1月 (1)
- 2015年12月 (1)
- 2015年11月 (1)
- 2015年10月 (2)
- 2015年9月 (2)
- 2015年8月 (1)
- 2015年7月 (1)
- 2015年6月 (2)
- 2015年5月 (2)
- 2015年4月 (1)
- 2015年3月 (2)
- 2015年2月 (1)
- 2015年1月 (2)
- 2014年12月 (2)
- 2014年11月 (2)
- 2014年10月 (1)
- 2014年9月 (3)
- 2014年8月 (1)
- 2014年7月 (4)
- 2014年6月 (1)
- 2014年5月 (2)
- 2014年4月 (1)
- 2014年3月 (1)
-
最近の投稿
カテゴリー
- かめぽん (112)
- その他 (58)
- ランチ 飲み屋 情報 (2)
- 映画 ドラマ情報 (14)
月別アーカイブ: 2020年6月
その他
チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第17回『非行少年』
今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、1985年の「火曜サスペンス劇場」作品より、『非行少年』をご紹介します。原作は、1978年に直木賞を受賞し、織田信長が主人公の「下天は夢か」など、多くの代表作を持つ津本陽先生。短編集「南海綺譚」(80年)や「前科持ち」(82年)には、和歌山市警の部長刑事・村野というキャラクターが登場するのですが、本作『非行少年』は「前科持ち」所収の一編「わくら葉が散った」を基にした作品でした。ドラマ化にあたり、物語の舞台は東京となり、村野刑事の所属は「渋谷南署」へと変更されています。
脚本は『Gメン75』や『キイハンター』、アニメ『マジンガーZ』などで知られる高久進さん。実は『Gメン』の一編「怪談・死霊の棲む家」(第273話)は、「南海綺譚」所収の「魔物の時間」を原作としていました。そして、この第273話を皮切りに、Gメンの立花警部(若林豪)が「長野県黒谷町」という架空の村を舞台に残虐な凶悪犯と対決していくという、俗称「黒谷町シリーズ」が始まり、『Gメン』後期を代表する企画として定着したのですが、このシリーズを手がけたのが高久さん(脚本)と小松範任監督でした。つまり、本作『非行少年』は、『Gメン』以来の高久さん(&小松監督)と津本先生の関係で成立した作品と言っても差し支えないのです。「黒谷町シリーズ」の名物(?)キャラ・望月源治(蟹江敬三)が持っていた「怖さ」も、そのままではないにせよ、本作で菅貫太郎さんが演じている島崎にも受け継がれているように思います。
渋谷南署の捜査課に勤務する部長刑事・村野(石立鉄男)は、中年にさしかかってから陽子(友里千賀子)と結婚しました。郊外の高層団地で、夫婦2人だけで暮らしていましたが、やがて陽子が妊娠。晴れて父親となる日を楽しみにしながら、日々の捜査に精を出していました。
ある日、渋谷南署に、2人の非行少年が連行されました。公園で浮浪者が殴り殺された事件の容疑者として……。ひとりは菅沼徹(坂井徹)。もうひとりは中出達也(吉田友紀)。達也の苗字に心当たりがあった村野は、道玄坂で「ひさご」という小料理屋を営んでいるという達也の母親に早速、会いに行きました。村野の想像通り、達也の母は彼がかつて愛した、中出美代子(岩井友見)でした。16年ぶりの、思いがけない再会。女手ひとつで達也を育ててきた美代子はいま、非行に走ってしまった達也に、手を焼いていました。そんな「美代ちゃん」の苦悩を知った村野は、達也をなんとかして更生させようと考え、証拠不十分で釈放の身となった達也をいきなり自宅へ連れて行きました。しかし、夫から何も詳しいことを聞いていない陽子は、達也にどう接すれば良いのか分かりません。そして達也自身も、なぜ刑事である村野がここまで自分と母親のことに肩入れするのか分からず戸惑いました。村野の家を出て、自分の家に帰った達也は、また大暴れ。「ひさご」の客たちも気分を悪くして、帰ってしまう始末です。これでは店を続けられないと嘆く美代子でしたが、達也に反省の色は感じられませんでした。
やがて、村野は達也に関する「ある事実」に突き当たります。衝撃を受けた村野刑事でしたが、その「事実」は、妊娠中の妻・陽子をも苦しめることになりました。一方、達也や徹といった渋谷の不良少年・少女たちを自らの子分のようにこき使っていたのは、かつて村野に逮捕された、やくざの島崎(菅貫太郎)でした。村野に恨みを抱く島崎は、達也の仲間のひとり・木口カヨ(桑田和美)に対し、「達也にシャブ(覚醒剤)を打ってこい」と命令します。達也を覚醒剤中毒にすることで、村野をも苦しめようと考えたのです。カヨは達也を呼び出し、2人は廃工場で会いましたが、その後、カヨは遺体で発見されました。容疑者となったのは、現場から急いで走り去った達也。彼は殺人を犯してしまったのでしょうか。村野は、犯人は達也ではないと信じ、必死で捜査を進めますが……。
一枚の病(わくら)葉が、周りの葉もダメにしてしまうように、ひとりの非行少年=達也の存在が、本来は無関係だったはずの村野家まで崩壊へと導いていく……。達也は決して病葉ではないと信じながらも、どんどん立場的に追い込まれていく村野刑事の姿が印象的です。村野役の石立鉄男さんは、1970~80年代のテレビドラマ界を代表する人気俳優。東映作品では「土曜ワイド劇場」の「三毛猫ホームズ」シリーズ(79~84年)などでも活躍されていました。シリアスからコメディまで、幅広くこなす石立さんですが、本作では自分の「青春」に決着をつけようとする中年刑事という役柄を熱く演じています。タイトルロールでもある非行少年・達也役は『俺はあばれはっちゃく』(79年)で主演だった、子役出身の吉田友紀さん。石立さん、そして友里千賀子さんとは、すでに『気まぐれ本格派』(77年)で共演経験があるので、3人のシーンを観て、既視感を抱く方も多いのではないかと思います。同様に、村野の上司にあたる滝口刑事役の内藤武敏さんも、前述の「三毛猫~」においても、石立さんが演じた主人公・片山刑事の上司役でした。
本作で、圧倒的な存在感を示すのが、島崎役の菅貫太郎さん。テレビ時代劇の名悪役としてのイメージが強い方ですが、今回は、いわゆる類型的な悪役キャラとは一線を画した役作りで、持ち前の演技力が存分に活かされていました。達也の不良仲間役は、坂井徹さんや桑田和美さんが演じています。本作の放送日の2日後にスタートしたのが、80年代の伝説的なドラマ『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説』(85年)なのですが、坂井さんも桑田さんも『スケバン刑事Ⅲ 少女忍法帖伝奇』(86年)では、忍者役でゲスト出演していました。
村野が「渋谷南署」勤務ということで、80年代中盤の渋谷の街でロケが敢行され、貴重な映像となっています。一方で、冒頭とラストに登場する村野の自宅アパート付近は、板橋区高島平でロケ。高島平から渋谷というのは、現実で考えると、通勤経路としては決して便利ではないのですが、練馬区に撮影所(大泉)を持つ東映の作品では、高島平付近は現在でも、ロケ地として頻繁に使用されているのです。
今回も、あらすじ部分に登場しなかったキャストの顔ぶれを軽く紹介しておきましょう。村野の同僚刑事・平林役は大場順さん。本作の翌年より、「火曜サスペンス劇場」の人気シリーズ「監察医・室生亜季子」に、やはり刑事役で参加して、2007年のシリーズ終了まで皆勤しました。このほか、青木刑事に『科学戦隊ダイナマン』(83年)のメギド王子役で知られる林健樹さん。少年課の刑事には『特別機動捜査隊』の後期(74~77年)に矢崎班の谷山部長刑事役で出演していた和崎俊哉さんが扮しています。美代子の店「ひさご」で働く若い女性・春恵役を演じた愛田夏希さんは、本作の放送の2週間後より、『特捜最前線』にレギュラー参加。特命課の江崎婦警として、最終回(87年)まで出演されました。
それでは、また次回へ。なお、7月の「違いのわかるサスペンス劇場」では本作のほか、1984年の『火曜サスペンス劇場』より『沈黙は罠』(原作:夏樹静子/脚本:橋本綾/出演:香山美子、山本圭ほか)、1973年の『サスペンスシリーズ』より『人妻恐怖・地獄道路』(監督:降旗康男/出演:野際陽子、中丸忠雄ほか)、『現代鬼婆考・殺愛』(監督:竹本弘一/出演:千葉真一、志穂美悦子、野際陽子ほか)が放送されます。これらの作品群もぜひ、ご堪能ください。
【7月の『刑事くん』(第2シリーズ)】
7月、新登場となるエピソードは第3話から第10話まで。その中から、第5話「青空の待つ日」(脚本:長坂秀佳/監督:竹本弘一/1973年5月14日放送)を紹介します。
有名作曲家の御園が、自宅で殺害されました。後頭部を何かで殴られたことが死因だと思われましたが、現場に凶器は残されていませんでした。そんな中、三神刑事(桜木健一)は部屋に飾られていた写真から、高価そうな青銅の置物が、部屋から消えていることに気づきます。御園家のお手伝いさん(原ひさ子)は、置物は少なくとも、殺人事件が発生する直前まで、部屋にあったはずだと証言しました。凶器はその置物である可能性が高くなりましたが、果たして犯人は誰なのでしょうか。宗方刑事(三浦友和)は、父親が殺されたばかりでショックを受けている娘・アケミ(麻丘めぐみ)にも、容赦なくアリバイを尋ねます。動揺するアケミ。容疑者として考えられるのは他に、御園の弟子であるマキハラ(沢木順)とヤベ(田辺進三)の2人がいましたが、彼らのアリバイは完璧で……。
第3話(郷ひろみ)、第4話(森昌子)に続く、当時の若手スターのゲスト出演エピソードです。麻丘さんは子役、モデルを経て1972年に歌手デビュー。その年末の「日本レコード大賞」では、最優秀新人賞を受賞していました。本作のラストで流れるのは、1973年1月にリリースされた3rdシングル「女の子なんだもん」。代表曲として知られる「わたしの彼は左きき」がリリースされるのは1973年7月なので、本作への出演当時は、まさにアイドル歌手としての人気が頂点に達しようとしていた時期だったと言えます。
そんな麻丘さんが演じるアケミは、どうやら、父親の弟子のひとりに対して、ほのかな思いを寄せていたようです。その人物が殺人容疑者として捜査線上に浮かんだとき、純朴な少女・アケミの心は? そして、完璧であるかに思われた容疑者のアリバイを、三神刑事はどのように崩すのでしょうか……。
麻丘めぐみさんの初々しさと可憐さは必見。また、三神刑事の捜査方法は「あっと驚く」もので、彼のまっすぐな性格そのものが、事件の謎を解いたと言っても過言ではないでしょう。マキハラを演じたのは後に劇団四季のミュージカルスターとして活躍することになる沢木順さん。近年も現役として活動中の沢木さんですが、映像作品への出演は珍しく、ブレイク前ゆえの、貴重なフィルムとなっています。本作と同時期には『ウルトラマンタロウ』主題歌のカバーバージョンを発表。こちらも、現在では「知る人ぞ知る」音源となっているようです。もうひとりの弟子・ヤベ役の田辺進三(後に「田辺宏章」へと改名)さんは、俳優のほか、1980年代には声優としても活躍されていました。
7月の『刑事くん』(第2シリーズ)ではこの他、第6話に松坂慶子さん、第10話に竹下景子さんがゲスト出演されています。どうぞ、お楽しみに!
文/伊東叶多
<放送日時>
『非行少年』
7月11日(土)14:00~15:50
7月25日(土)13:00~15:00
7月31日(金)20:00~22:00
『沈黙は罠』
7月4日(土)13:00~15:00
7月18日(土)14:00~16:00
7月30日(木)20:00~22:00
『人妻恐怖・地獄道路』
7月4日(土)15:00~16:00
7月9日(木)14:00~15:00
7月18日(土)13:00~14:00
『現代鬼婆考・殺愛』
7月11日(土)13:00~14:00
7月25日(土)15:00~16:00
『刑事くん』(第2シリーズ)
毎週月曜日18:00~19:00(2話ずつ放送)
再放送:毎週金曜日7:00~8:00
『刑事くん』(第1シリーズ)
毎週木曜日19:00~20:00(2話ずつ放送)
2020年6月26日
カテゴリー: その他
その他
チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 特別編(第16.5回) 『刑事くん』第2シリーズ、いよいよ放送スタート!
「さて来週、4月16日からはみなさまのご要望に応え、熱血漢・桜木健一の『刑事くん』がふたたび登場します。盗みの疑いをかけられた三神鉄男は、犯人捜しに乗り出したが、鉄男がそこで見たものは、ささやかな夢を求める若者の姿であった。鉄男は決心した。刑事でなければ、できないことがある。もう一度、刑事になろう。第1回『刑事くん/ぼくたちの春』は、千葉真一をゲストに迎えてお送りします。どうぞ、お楽しみに!」
(新番組予告より/ナレーション:村越伊知郎)
……というわけで、6月29日からはみなさまのご要望に応え、熱血漢・桜木健一の『刑事くん』がふたたび東映チャンネルに登場します。これを記念し、「東映テレビドラマLEGACY」も特別編(第16.5回)として『刑事くん』をご紹介。1970年代の「30分ドラマ」では人気の面でも内容においてもトップクラスに位置する本作が後世に語り継がれていくことを願って――。
そもそも『刑事くん』は、“スポーツ&根性もの”ブームの一翼を担ったドラマ『柔道一直線』(69~71年)の主演で青春スターの座をつかんだ桜木健一さんの、次なる活躍の場として用意された作品でした。
実際には『刑事くん』より前に、『柔道一直線』と同じく梶原一騎先生の原作、桜木さん&吉沢京子さんの主演、東映の製作で『太陽の恋人』という学園ドラマ(1時間枠)が放送されていましたが、こちらは1クール(3ヶ月)で終了。桜木さんは、ここで実質的に学生役を卒業し、今度はスーツ姿で「新米刑事」役に挑むことになったのです。いまの時代、「刑事くん」というと、フィギュアスケーターの田中刑事さん(本名!)を思い出す方が多いかもしれませんが、新米刑事の成長を描くドラマのタイトルとして『刑事くん』は秀逸だったと言えるでしょう。前例として、水木しげる先生の『悪魔くん』や藤子不二雄Ⓐ先生の『怪物くん』などもありますが、『刑事くん』の企画者は、その『悪魔くん』を実写化(66~67年)してヒットさせた実績のある、東映の平山亨プロデューサーでした。
『刑事くん』での桜木さんの役柄は、三神鉄男。父親も刑事でしたが、ある事件で殉職。鉄男は、この事件の真犯人を自分の手で捕まえるために、刑事になったのです。しかし、現実に刑事という職についたら、当然ながら、特定の事件を自分の都合で捜査するわけにはいきません。猪突猛進の熱血漢にして人情家の鉄男は、それぞれの事件の関係者に感情移入するあまり、日々失敗の連続。それでも、上司の時村は、そんな鉄男を全否定することなく、時に厳しく、時に優しく、見守り続けるのでした。
時村を演じるのは、名古屋章さん。企画チーム(東映=平山亨さん&齋藤頼照さん、TBS=橋本洋二さん)をはじめ、初期話数の脚本を手がけた佐々木守さんや、監督の奥中惇夫さん、富田(冨田)義治さん、そして名古屋さんといったメンバーは『柔道一直線』からの続投であり、桜木さんとの相性も抜群でした。ここに、当時はまだ若手だった市川森一さんや長坂秀佳さんといった、後のテレビドラマ界を支えることになる脚本家たちが加わったことで、『刑事くん』は「70年代型」刑事ドラマとでも言うべきスタンスを確立していきます。極めてシンプルに言えば、「犯人」あるいは「事件」が主役になることが多かった60年代までの刑事ドラマに対し、「犯人」あるいは「事件」を追う側の“刑事”が主役になっていったのが「70年代型」刑事ドラマ。主役の刑事が事件もしくは犯人と接して何を感じ、それが彼という人間にどんな影響を与えたか、といった描き方が生まれたのです。もちろん70年代の刑事ドラマすべてがこういったパターンになったわけではなく、あくまで「新たな潮流」ではあるのですが、『刑事くん』と、その翌年にスタートした『太陽にほえろ!』が、一つの流れを決定づけたと言えるでしょう。『刑事くん』の三神鉄男と上司・時村の関係は、そのまま『太陽にほえろ!』におけるマカロニ刑事(萩原健一)やジーパン刑事(松田優作)とボスこと藤堂(石原裕次郎)のそれでした。この構図に先鞭をつけたという点でも『刑事くん』は評価されるべき作品ですが、さらに遡れば、このような関係性の描き方は一連の“スポーツ&根性もの”の流れを汲んでいるわけで、「70年代型」刑事ドラマの誕生は、時代の移り変わりが導いた「必然」だったのかもしれません。
新鮮なイメージの刑事ドラマとして早い段階で視聴者を惹きつけることに成功した『刑事くん』ですが、ヒットの要因として、若者に人気のある新鋭スターを次々とゲスト出演させたことも忘れてはならないでしょう。第1シリーズの第12話「もどらない日々」で萩原健一さんが登場し、話題を呼んだことがきっかけとなって、第3クールへと突入した1972年・春期の放送回(第32~35話)では、沢田研二さん、小柳ルミ子さん、南沙織さん、天地真理さんが次々と出演しました。内容面の充実に加え、抜群の宣伝施策も功を奏し、『刑事くん』は高い評価のまま、1年あまりの放送期間を終えます。その最終回となった第57話「人間たちの祭り」では、ついに三神鉄男は父が命を落とした事件の真犯人に辿り着くのですが、現在も東映チャンネルで第1シリーズがリピート放送中ゆえ、具体的な顛末まではここでは触れないことにします。ともあれ、そもそも自分が刑事になった「動機」の部分がなくなった以上、鉄男が刑事を続ける選択肢はありませんでした。さまざまな経験を積んで傷つき、同時に成長した鉄男は刑事を辞め、「人間たち」の中で生きていく決意を固めたのです。
こうして『刑事くん』は終了。翌週からは、同じく桜木健一さんの主演による時代劇『熱血猿飛佐助』が放送されました。昭和40年代は、まだ子ども向けの「30分時代劇」というジャンルが残っていた時代。同時期には、『快傑ライオン丸』や『変身忍者嵐』などの特撮ヒーロー時代劇も登場していた中、『熱血猿飛佐助』も健闘し、2クール(半年間)の放送を終えます。そして、その後を受ける形になったのが『刑事くん』第2シリーズでした。当時は『刑事くん』や『熱血猿飛佐助』と並行して、『君たちは魚だ』や『まんまる四角』といった1時間枠のドラマにも出演していた桜木さんでしたが、その中でも、『刑事くん』の三神鉄男は『柔道一直線』の一条直也に続く「当たり役」となったようです。
東映チャンネルで6月末よりスタートする『刑事くん』第2シリーズは、1973年4月から放送されました。冒頭で引用した新番組予告からもお分かりのように、その第1話では、当然ながら、三神鉄男の「復職」が描かれます。第1話でしか描かれない、「元・刑事」という状況の鉄男の日常や、彼が復職を決意することになった、ある事件との関わりに注目して、ご覧ください。ゲスト出演の千葉真一さんは当時、5年間にわたってレギュラー出演した『キイハンター』を終えたばかり。そして4月末には大友勝利役で新境地を開拓した『仁義なき戦い 広島死闘篇』の公開を控えており、まさに「ノリにノッている」時期の出演でした。千葉さんは、同じ1973年4月には『ロボット刑事』の第1・2話にもゲスト出演。この時期、“千葉真一”という名前が若い視聴者層にとって、どれだけ効果的だったかを示す事実だと言えるでしょう。一方で、これらの番組に多忙にもかかわらず出演し、後に続く若手たちを積極的に応援した“チバちゃん”のフットワークの軽さ、度量の大きさも記憶したいところです。
第2シリーズの新登場キャラクターで注目すべきは、鉄男のライバル的な存在となる同僚刑事・宗方です。演じたのは、当時21歳の三浦友和さん。1972年に『シークレット部隊』で俳優デビューし、『剣道一本!』で早くも初主演を飾っていた二枚目俳優が、本作に新風を吹き込みます。このほか、『サインはV』(69~70年)への出演でブレイクした中山麻理さんも婦人警官・吉本真琴役でレギュラー入り。鉄男、宗方、吉本真琴の3人がドラマの主軸となるフォーマットが確立されました。
第2話以降の展開についても少し触れておくと、第3話~第6話が早くも「豪華ゲスト月間」となります。第3話は郷ひろみさん、第4話は森昌子さん、第5話は麻丘めぐみさん。そして第6話には、同時期にNHK大河ドラマ『国盗り物語』(濃姫役)をはじめ、『愛がはじまるとき』『思い橋』といった3本の作品に出演して大ブレイク中だった松坂慶子さんが出演しました。シリーズ再開の初期エピソードだけあって、どの回も充実した内容なので、楽しみにしていただければと思います。そうそう、第4話では森昌子さんの友人役で、放送日の2週間後(1973年5月21日)に歌手デビューを控えていた、後のビッグスターが出演しています。デビュー前ということもあって、画面への登場時間はわずか10秒。決して見逃さないでください。ちなみに、本作では残念ながら、“まだ”三浦友和さんとの共演シーンはありませんでした(と書けば、誰のことだか想像つきますよね?)。
なお『刑事くん』はこの後、第3シリーズまで桜木さんが主演し、新たに星正人さんが主演となった第4シリーズまで続きます。こちらの放送は未定ですが、まさに東映の「LEGACY」と言えるシリーズなので、期待したいところです。もちろん『刑事くん』に限らず本文で触れた『太陽の恋人』や『熱血猿飛佐助』の放送も待たれるところ。筆者に同意の方はぜひ、東映チャンネルまで熱いリクエストをお寄せくださいませ!
文/伊東叶多
<放送日時>
『刑事くん』(第2シリーズ)
6月29日(月)スタート
毎週月曜日18:00~19:00(2話ずつ放送)
再放送:毎週金曜日7:00~8:00
脚本:佐々木守、市川森一、長坂秀佳、小山内美江子ほか
監督:富田義治、竹本弘一、村山新治、小松範任ほか
音楽:菊池俊輔
出演:桜木健一、中山麻理、三浦友和、名古屋章ほか
『刑事くん』(第1シリーズ)
毎週木曜日19:00~20:00(2話ずつ放送)
脚本:佐々木守、市川森一、長坂秀佳ほか
監督:奥中惇夫、富田義治、竹本弘一ほか
音楽:菊池俊輔
出演:桜木健一、仲雅美、名古屋章ほか
『柔道一直線』
毎週水曜日18:00~19:00(2話ずつ放送)
脚本:佐々木守、上原正三ほか
監督:奥中惇夫、富田義治ほか
音楽:みぞかみひでお
出演:桜木健一、高松英郎ほか
2020年6月12日
カテゴリー: その他
かめぽん
チューもく!! カイトくんとのコンビが初々しいシーズン11放送スタート水谷豊&成宮寛貴
ステイホームも一段落。徐々に日常が戻ってきているが、油断厳禁。手洗い、消毒、ソーシャルディスタンス、3密を避けるなどはこれからも実践しなくてはならない。この文章を書いている時点で、コロナ第2波が北九州で起きている。まだまだ皆さん、十分ご用心ください。
そのステーホーム中、どれだけ映像作品にこころ癒されたことか。わくわく、どきどきが心置きなくできるおうちのTVの前。BSで新幹線大爆破が放映されたときも、トレンドに入るなど、みなさんご覧になっていた。初見だという若い方の書き込みもたくさん。そうそう、こんなに面白いんだよーと自分も声を上げたくなった。東映チャンネルも、まだまだ不安を抱えているみなさんに癒しの作品…いや癒しにはならないかもの問題作も含めて今月も放映。
で、地上波の再放送でも安定の視聴率をとる相棒のシーズン11を2カ月にわたって全話放映。カイトくん初登場の初々しさが楽しめる。カイトくんは相棒シリーズの[相棒]の中でも異色の人。彼のシリーズラストの衝撃はいまも強烈に残っている。かめぽん的にはいろいろ突っ込みを入れたいのだが、それはまたの機会に。石坂浩二さん演じるカイトパパもいい味出している。
今月も[一挙放送!極妻スペシャル Vol.2]や仮面ライダー、マジンガーZ、サイボーグ009、など盛りだくさん。かめぽんは[お蔵出しドラマ大放出 リターンズ]が楽しみ。今や貴重な1話しか現存していない作品の数々を楽しめる。「われら九人の戦鬼」は全話見たいと思う作品。残っていないのが本当に残念だ。他も若かりし頃の名優が楽しめる作品が続々。
今月もわくわくな東映チャンネルをお見逃しなく〜
2020年6月1日
カテゴリー: かめぽん