かめぽん

チューもく!! ぎらぎらした輝き。今も魅力的な無二の人 松田優作

昭和の子供なら「なんじゃ、こりゃー」と言えば彼の人の顔を思い出すに違いない。くしゃっとした髪の毛、鋭い瞳、低い声。背が高くて、すらっとして、印象的な彼、松田優作さん。「セントラル・アーツの軌跡 特別篇 松田優作メモリアル」と銘打って没後30年の大特集の前編を今月放映。
30年も経ったのか…と、月日の流れの速さに驚愕したかめぽん。「ブラックレイン」でハリウッド作品で非常に印象的な役を演じての急逝。本当に惜しいと思った。個人的には「なんじゃ、こりゃー」な刑事さんなど、TVの優作さんしか実はあまり知らないかめぽん。この特集でじっくりと優作ワールドに浸るつもりだ。で、個人的には桃太郎な息子さんが好き。ご兄弟でお父さんとは違った個性で活躍されているのを観るのも楽しみなのである←親戚のおばちゃん目線

 

201911

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
今月はこちらもメモリアルな特集「高倉健×菅原文太 共演全12作品アンコール放送!前篇」。全12作と意外と共演が少ない文太さんと健さん。こちらの男の対決も楽しみ。
「東映動画 名作アニメ劇場」ではかめぽんの大好きな森康二さんの動物たちが楽しめる「どうぶつ宝島」を4Kレストア版で放映。○で描がかれる動物たちの愛らしさ、本当に素晴らしい森ワールドを見ていただきたい。
アニメ、特撮、やくざに時代劇(橋蔵さんが美しい「雪之丞変化」と錦之助さん(の役)が江戸時代にタイムトリップする「森の石松鬼より恐い」が楽しみ)、そしてシェゲナベイベーな内田裕也さん主演のミステリーエロス『エロチックな関係R15+版]』など色っぽいものまで今月も盛りだくさん。

今月も、わくわくな東映チャンネルをお見逃しなく〜

2019年11月1日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第9回 『消えた男』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、先月に続いて『傑作推理劇場』より、1980年作品『消えた男』をご紹介します。『傑作推理劇場』の詳細については、前回のコラムをご参照ください。

 

『消えた男』の原作は、土屋隆夫先生の短編「加えて、消した」。土屋先生の代表作と言える「千草検事」シリーズは、1982年に『火曜サスペンス劇場』で、北大路欣也さんの主演で2作が放送されたほか、『土曜ワイド劇場』では江守徹さん(80年)、片岡孝夫さん(86年)、渡哲也さん(97年)、『金曜エンタテイメント』(05年)では西村まさ彦さんが、千草検事を演じています。

「加えて、消した」は絶妙なタイトルで、これを頭に入れておくと、もしかしたら劇中でのある“トリック”の解明には少し有利かもしれません。

脚本は、映画『霧の旗』(77年)や『あゝ野麦峠』(79年)などを手がけた服部佳さん。そして監督は、『七人の侍』(54年)などの黒澤明監督作品でチーフ助監督を務めた後、監督デビューして『黒い画集 あるサラリーマンの証言』(60年)、『激動の昭和史 軍閥』(70年)、『翼は心につけて』(78年)などを手がけた堀川弘通監督でした。

主人公は、大学の理学部で助教授をしている秋津俊輔(緒形拳)。彼には結婚して10年になる美しい妻(高林由紀子)がいましたが、かつて流産したことがあり、夫妻の間には子どもはいませんでした。

その日、秋津は教授に随行して、学会への出席のため、京都へ出張していました。新幹線で東京へ戻り、帰宅すると、なんと自宅には、妻と見知らぬ男の心中死体が――!

物語は、こんなショッキングな描写から幕を開けます。しかし、その後、視聴者からすれば、ちょっと意表を突かれる展開になっていきます。

妻の妹・佳代(秋吉久美子)が、一報を聞いてタクシーで秋津家に駆けつけました。そこには、すでに警察が来ていました。妻の遺書もあり、警察は現場の状況から、自殺と断定したようです。でも、そこには、妻と心中したはずの男・仁一(じんいち)の姿はありませんでした。秋津も警察に対して、妻はかつての流産を苦にして自殺したのではないかと証言。現場から“消えた男”がひとりいるはずなのに、そのことについては一切、触れようとしないのです。

佳代からすれば、確かに流産のことを気に病んでいたとはいえ、姉が自殺するなんて、想像もつかないことでした。佳代は前日に、姉の元気な声を電話で聞いているのです。むしろ佳代が気にしていたのは、夫である秋津が出張しているはずなのに、秋津家に他の誰かがいる気配が、電話の様子から感じられたことでした……。

姉は、夫の出張中に不倫をしていたのかもしれない。そして、その男と姉は心中を図ったのかもしれない。でも、だとすれば、その男はどこへ行ってしまったのか?

警察は警察で、秋津が自宅で妻の死体を発見してから、警察へ通報するまでの時間が異様に長かったことに疑問を抱いていました。秋津自身はその理由を、「あまりのことに茫然自失で、気がついたら時間が経っていた」と言っていたのですが……。

そして佳代は、姉が書いた遺書の内容にも疑問を持っていました。筆跡から、姉の文字であることには疑いの余地がなかったのですが、文面に「佳代さん」という表現があったのです。姉から「佳代さん」などと呼ばれたことは、佳代にはありませんでした。彼女の中で、少しずつ、疑惑が「ある確信」へと変わっていきました。そこで佳代は、妻を失ってしまった秋津のために、しばらく身のまわりの世話をしたいという名目で、秋津家で暮らし始めたのです。しかし、佳代が真相に迫ろうとしても、秋津は頑なに、口を閉ざすのみでした。いったい、“消えた男”はどこへ――?

今回は、あらすじを少し長めに書いてみました。ネタバレはもちろん、避けていますが、本作のキモとなるトリックを解く“ヒント”は入れてあります。このトリック、決して大掛かりなものではなく、誰でも日常レベルで可能なもの。本作をご覧になって、思わず膝を打つ方も多いのではないかと思います。

ただ、本作の最大の見どころは、トリックの解明部分ではありません。秋津と佳代の関係性の変化が、じっくりと描かれる点です。ここにこそ、名称・堀川監督の力量が表れていると言えるでしょう。秋津の妻役の高林由紀子さんのほか、刑事役で中条静夫さんも出演されていますが、物語の大半は、秋津と佳代の描写に割かれています。緒形拳さんと秋吉久美子さんという2大スターが演じる、なんとも言えない男女の関係に、貴方もきっと引き込まれていくはずです。

 

それでは、また次回へ。なお、11月の「違いのわかるサスペンス劇場」では、本作のほか、同じく『傑作推理劇場』1980年作品より、『尊属殺人事件』(原作:和久峻三/出演:辰巳柳太郎、浅茅陽子、片桐夕子ほか)も放送されます。『火曜サスペンス劇場』の1982年作品『たそがれに標的を撃て』(出演:菅原文太、日色ともゑほか/監督:鷹森立一)や、『土曜ワイド劇場』の同じく1982年作品『透明な季節』(出演:芦川誠、石橋蓮司、田村高廣、中野良子ほか/監督:藤田敏八)も久しぶりの放送ですね。これらの作品群もぜひ、ご堪能ください!

 

文/伊東叶多

 

 

<放送日時>

『消えた男』

11月2日(土)14:00~15:00

11月23日(土)13:00~14:00

 

『尊属殺人事件』

11月2日(土)13:00~14:00

11月23日(土)14:00~15:00

 

『たそがれに標的を撃て』

11月9日(土)13:00~14:50

11月28日(木)11:00~13:00

 

『透明な季節』

11月16日(土)13:00~14:50

11月30日(木)13:00~14:50

2019年10月29日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! 年齢を重ねた渋さも加わった、あぶない刑事 舘ひろし

「終わった人」。なかなか鋭いタイトルである。人生も晩年にさしかかったかめぽんにも、こころにチクリとくる響き。いやいや、まだまだ終わりませんよ。世の中、楽しいこと(&美味しいもの)はたくさんあるんだから。
あぶない刑事な舘ひろしさんが、本作でモントリオール世界映画祭最優秀主演男優賞を受賞。コメディタッチのこころ温まる映画だ。
そういえば、遙か昔、かめぽんの友人は「あぶない刑事」が大好きで(彼女は柴田恭兵さんが好きだったみたい)、ある日、録画を頼まれた。当時はビデオ。今の時代と違って、見逃しした作品をネットで観たりもできないし、多チャンネルでなかったから番組が重なるとなかなか大変だったのだ。で、彼女から預かったビデオテープに番組を録画。一応、内容を確認しようと再生してみたら、なぜか松方さんの遠山の金さんが録画されていた。血の気が引き、友人に平謝り。友人は「あぶない刑事」を頼んで「遠山の金さん」が録画されているなんて、あまりにも違いすぎで(チャンネルすら違うし)笑って許してくれたっけ。
その「あぶない刑事」も今月は「始動40周年記念【セントラル・アーツの軌跡 Vol.12 あぶない刑事】」で取り上げている。友人を呼んで一緒に観ようかしらん

 

 

201910

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今月は「プリキュア映画カーニバル!2019秋」や「仮面ライダー劇場版スペシャル」「東映動画 名作アニメ劇場」などのアニメ特撮コンテンツも充実。時代劇特集はかめぽんの大好きな近衛十四郎さん。「忍者狩り」など渋い作品が放映される。
任侠からお色気、家族揃って楽しめる作品まで幅広くお届け。「マダム・スキャンダル 10秒死なせて[R15+版]」はかめぽんの好きな西田健さんがご出演。どきどきするなあ。

今月も、わくわくな東映チャンネルをお見逃しなく〜

2019年10月1日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY 第8回『魔少年』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、『傑作推理劇場』より、1980年作品『魔少年』をご紹介します。『傑作推理劇場』とは、1980年の夏期にテレビ朝日系の平日22時枠で2週間にわたって全10話が放送された、各回1時間のドラマシリーズです。原作として選ばれたのは、著名ミステリー作家による佳作ばかり。この試みは好評を呼び、翌1981年にも、同時期に全11話が放送されました。さらに1982年1月から4月にかけても、『春の傑作推理劇場』と題して、今度は毎週木曜夜9時枠で全11話を放送。各回の製作は東映をはじめ、松竹、三船プロダクションなどが手がけていました。

1980年と1981年の夏期、『特捜最前線』の放送に2週ずつブランクがあるのは、この『傑作推理劇場』が編成されていたためです。当時のテレビ界では、いまと比べて特番が少なかったため、22時台のドラマなどは年末年始を除いて休みなく毎週オンエアされていました。『特捜』スタッフは、この編成によって、わずかながらも貴重な「夏休み」がとれたのではないでしょうか。

 

さて『魔少年』です。原作は、森村誠一先生の短編。映像化を手がけたスタッフは、まず脚本が、東映の劇場映画を数多く担当してきた神波史男さん。本作の前年には、村川透監督の『白昼の死角』のほか、共同脚本で『総長の首』(監督:中島貞夫)、『その後の仁義なき戦い』(監督:工藤栄一)にも参加していました。そして監督は佐藤肇さん。映画では主にSFやホラーといったジャンルで活躍されましたが、テレビ『キイハンター』や『特捜最前線』でも、印象に残る傑作エピソードをいくつも世に送り出しています。音楽を、佐藤監督との相性が良い菊池俊輔さんが担当している点も注目ポイントでしょう。

 

東京都・板橋区にある「城西第五小学校」。あるクラスで、ガキ大将の大野くん(大栗清史)の行動が問題になっていました。往来の激しい道路で信号を無視する「横断遊び」などは、一つ間違えれば大事故につながるもの。優等生の息子・正夫(中越司)を持つ主婦・相良牧子(松尾嘉代)は、そんな大野少年の存在を苦々しく思っていました。

牧子の夫(名古屋章)は会社を経営しており、相良家は裕福な家庭でした。牧子は息子の教育にも力を入れており、若い家庭教師(荒谷公之)も雇っていましたが、正夫はなかなかクラスで1番の成績をとれませんでした。ただ、どの教科でも2位につけており、正夫は大野少年とは対照的に、クラスの人気者でもありました。

そんなある日、また大野少年がクラスで問題を起こしました。担任の教師(森本レオ)が問い詰めますが、本人は否定するばかり。いよいよPTAも学校に対して「然るべき対応」を求め始めます。しかし、一連の問題行動の裏には、誰も想像していなかった意外な真実が隠されていたのでした――。

 

1時間ドラマゆえ、実際の本編尺は45分程度。原作自体も短編に分類される作品ではありますが、本作の中身はギュッと詰まっています。2時間ドラマとしても通用する内容を1時間に凝縮している、といった感じでしょうか。キャストも豪華で、1シーンしか登場しないキャラクターたちにも注目していただきたいところです(これはこの時期の作品に共通の特徴とも言えますね)。

ネタバレを避けつつの表現になりますが、タイトルの<魔少年>とは誰を指すのか。何をもって<魔少年>とされるのか。そして「彼」が<魔少年>となってしまった原因とは、果たして何なのか……。ぜひ、みなさんの目で確かめてみてください。

 

キャストについての補足。PTAのひとりとして大川栄子さんが出演されていますが、これは明らかに、佐藤肇監督との『キイハンター』からの縁でしょう。『キイハンター』では大川さんが演じる“ユミちゃん”をメインにした、ちょっと異色なホラー編やコメディ編を佐藤監督がよく手がけていました。こちらも東映チャンネルで放送中の作品なので、併せてチェックしていただけるとうれしいです。

優等生の正夫を演じたのは、中越司さん。子役を経て、後に舞台美術家としてデビュー。蜷川幸雄作品の舞台美術を多く担当し、高い評価を受けました。「大映ドラマ」などで活躍した女優・比企理恵さんの夫でもあるそうです。

このほか、敢えて詳しくは書きませんが、<サイボーグ009><西部警察><王貞治選手><ワールドスタンプブック><ダイデンジン(電子戦隊デンジマン)><大鉄人17(ワンセブン)>などのワードを頭に入れて視聴すると、一部の世代の方は、より本作をディープに楽しめることでしょう。まぁ、『西部警察』の部分については、「そこは『西部~』じゃなく『特捜最前線』にするべきでしょ!」とツッコミを入れたくなってしまうのですが、クライマックスでの「ある展開」への布石だと考えると、確かに『西部警察』が正解だったのかもしれません。う~む、作品を観ないとなんのこっちゃ分からない文章になってしまい、ひじょうに申し訳ないのですが、ご覧になれば、「なるほど、コイツはこのことが言いたかったのね」と、ご理解いただけるはずです……。

なお『魔少年』は後に、『土曜ワイド劇場』枠でも1985年に映像化されます。こちらも東映の製作なので、いずれ両作を見比べる機会がめぐってくるのを期待しつつ――。

 

それでは、また次回へ。なお、10月の「違いのわかるサスペンス劇場」では、本作のほか、同じく『傑作推理劇場』1980年作品より、『殺意』(原作:高木彬光、出演:坂口良子、佐分利信ほか、監督:野田幸男)も放送されます。『土曜ワイド劇場』の1980年作品『映画村殺人事件』(原作:山村美紗、出演:田村正和、夏純子、西村晃ほか、監督:中島貞夫)も久しぶりの放送ですね。これらの作品群もぜひ、ご堪能ください!

 

文/伊東叶多

 

 

<放送日時>

『魔少年』

10月5日(土)13:00~14:00

10月12日(土)14:00~15:00

10月26日(土)13:00~14:00

 

『殺意』

10月5日(土)14:00~15:00

10月12日(土)13:00~14:00

10月26日(土)14:00~15:00

 

『映画村殺人事件』

10月19日(土)13:00~15:00

2019年9月24日 | カテゴリー: その他
かめぽん

チューもく!! 蘇る名作の数々、4Kレストア版太陽の王子ホルスの大冒険

東映動画のアニメーターさんがモデルの朝ドラも9月で終了。当時、東映動画のアニメは本当に凄かったと実感している。若い方々にもぜひ観ていただきたいので今月の特集は必見。
ジブリ作品の原点のような「太陽の王子ホルスの大冒険」、八岐大蛇の描き方が秀逸な「わんぱく王子の大蛇退治」、東映長編映画第二作目の「少年猿飛佐助」の3本、すべて4Kレストア版で放映。

 

201909

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
で、イラストの方は誰?

答えは女優の大方斐紗子さん。ホルスの声をあてていた方だ。最近、某民放のサスペンスドラマにもご出演されていたのであれ?と思う方もいるはず。ホルスではヒロイン役で市原悦子さん、敵役で平幹二朗さんなどが声の出演をされていた。
かめぽんが青春期にアニメブームだったのだが、当時ビデオは高価で、いまのように多チャンネルでもなく、上映会でしかホルスを観ることがかなわなかった。
「すごいアニメがあるんだよ」と友人から聞いていたかめぽんは、大人になってからやっとホルスに出会え、感動した。
この時代に、こんな素晴らしい作品を作ってくれて、ありがとう!と。
本特集ではレストア版の修復作業の模様と関係者の証言、資料などをまとめた「最新技術で甦る!東映動画名作アニメーション」も放映。大方斐紗子さんと小田部羊一さんが出演される。小田部さんはかめぽんが愛してやまないポケモンのアニメーション監修をずっとされているし、初期のカルピス名作劇場の作画監督などもされていた。かめぽんの大好きな作品を作り続けてくださった方(ゲームを含む)。拝見するのがとても楽しみな1本だ。

今月は「孤狼の血」の東映初放送を含む「『孤狼の血』を10倍楽しむための実録アウトロー映画特集」や、「セントラル・アーツの軌跡 Vol.11~角川ハードボイルド~」など実写はハードボイルドテイスト。
アニメは「東映動画 名作アニメ劇場」の他に、今回は「女の子アニメ大集合!」。
なかでもマコちゃんには毎回心をぎゅっとつかまれていたかめぽん。1作目の放映は個人的にも楽しみだ。
他にも、時代劇、特撮、80年代アイドル映画特集など、バラエティゆたかに今月もお届け。

今月も、わくわくな東映チャンネルをお見逃しなく〜

2019年9月1日 | カテゴリー: かめぽん
その他

チューもく!! 東映テレビドラマLEGACY                    第7回『観覧車は見ていた』

今月の「東映テレビドラマLEGACY」は、『火曜サスペンス劇場』の1984年作品『観覧車は見ていた』をご紹介します。『火サス』×東映としては、1986年から『女弁護士・高林鮎子』シリーズ(~05年)や『女監察医・室生亜希子』シリーズ(~05年/07年に『火曜ドラマゴールド』枠で完結編を放送)といった人気シリーズが誕生しましたが、それまでは、明確なシリーズ作品は存在しませんでした。本作も、そんな時期に放送された1本。7月に放送した『夕陽よ止まれ』(83年)に続き、丹波哲郎さんが渋みのある落ち着いた演技で魅せてくれた作品です。原作は、阿刀田高先生の『街の観覧車』。これは短編集なのですが、そのうちの「水ぬるむ」と「雲どり模様」の2本をベースに、映像化にあたって大胆にアレンジされています。脚本を担当したのは、丹波さんのテレビでの代表作と言える『キイハンター』(68~73年)や『Gメン’75』(75~82年)でメインライターを務めていた高久進先生でした。そして、監督も『Gメン』を第1話から手がけた鷹森立一監督ということで、ある意味、『Gメン』ファンなら見逃せない作品と言えるでしょう。

陶芸家で、未亡人の山本久枝(市毛良枝)は、ある夜、男が女を川に投げ落とす瞬間を目撃しました。この情報を受け、城西署の牧田刑事(宮内洋)らが捜査を開始。容疑者の身柄を確保しますが、なぜか川からは女性が着ていた着物だけが発見され、遺体は見つかりませんでした。取り調べを受けた男は、女性と言い争いをしていたことは認めたものの、自分が殺したのではなく、女性が自ら川に身を投げたのだと主張。さらに、遺体が見つからないのは「女が鯉になったから」などと言ってのけるのでした。

事件現場の近くに最近、引っ越してきた初老の男・崎村兵吾(丹波哲郎)は、ひょんなことから知り合った久枝が、この奇妙な事件の目撃者だったことを知りました。いろいろと話すうちに、久枝のことが気になっていく崎村。一方の久枝は、佐久俊一(星正人)という男につきまとわれていました――。

『Gメン』ではスピーディーな展開で視聴者を惹きつけていた高久&鷹森コンビですが、本作では、久枝と兵吾の不思議な交流をじっくりと描き、物語に奥行きを与えています。また『キイハンター』を思わせるような、高久脚本特有の“どんでん返し”も健在。視聴者の予想を裏切りつつも、期待は裏切らないといったところに、プロフェッショナルな手腕を感じます。

さて、本作のタイトルは、もともとは原作からのインスパイアだったのでしょうが、さらに深い意味が込められています。イメージとしては、「観覧車から見えるところで犯罪が行われていた」というもので、実際にそういった展開なのですが、本作では、その「観覧車」に人格が与えられていました。そう、本作の観覧車は「言葉を話す」のです。

と言っても、人間と会話するわけではありません。静かなるモノローグが、劇中でたびたび挿入されるのみです。それがどんな形で演出されているかは、映像でお確かめください。なお、観覧車の声を演じているのは飯塚昭三さん。東映のヒーロー作品に登場する悪役キャラクターを数多く担当されてきた声優さんですが、本作では実に落ち着いた語り口で、また違った魅力を感じさせてくれました。

登場する観覧車は、2002年に惜しくも閉園した「向ヶ丘遊園」のもの。劇中ではロケ地としても使用されており、「崎村が遊園地で孫と戯れる」シーンは、丹波哲郎さんのフィルモグラフィの中でも比較的、珍しいと言えるかもしれません。園内の様子をよく見ていると「エリマキトカゲ展」の告知が確認できたりして、時代を感じさせます。一連のシーンで、誘拐未遂事件を起こす女性役は中真千子さん。東宝映画『若大将』シリーズでは、加山雄三さんが演じる主人公の妹役を、長年にわたって演じられていました。

主演の市毛良枝さんは当時、昼帯ドラマと2時間ドラマの両方で、高い支持を得ていました。本作が放送された1984年は、各局で毎日のように2時間ドラマが放送されていた時期なのですが、調べてみると、市毛さんは月に1本のペースで、2時間ドラマの主演を務めていたのです。『火サス』では、9月放送の「見えない橋」に続いての主演(本作は12月放送)。本作では、崎村のイメージの中に、市毛さんが演じる久枝がたびたび登場するのですが、その一連での艶めかしさが、とりわけ印象に残ります。

2時間ドラマに欠かせない捜査陣の顔ぶれは、宮内洋さん、相馬剛三さん、きくち英一さん。丹波さんと宮内さんは「師弟共演」ですが、実際に顔を合わせるシーンは、意外に少なめでした。また、70~80年代のテレビドラマのファンの方々には、星正人さんや谷川みゆきさんの出演もうれしいところでしょう。星さんは昭和末期に引退されたそうですが、『大都会PARTⅢ』(78年)や『鉄道公安官』(79年)、『爆走!ドーベルマン刑事』(80年)といった人気ドラマで立て続けに刑事役を演じられており、その甘いマスクが忘れられないファンの方も多いことと思います。

それでは、また次回へ。なお、9月の「違いのわかるサスペンス劇場」では、本作のほか1984年の『土曜ワイド劇場』作品「授業参観の女」(出演:緒形拳、萬田久子、伊東四朗ほか/監督:野田幸男)も放送されます。こちらもぜひ!

文/伊東叶多

 

<放送日時>

『観覧車は見ていた』

9月14日(土)13:00~14:50

9月28日(土)13:00~14:50

『授業参観の女』

9月7日(土)13:00~14:50

9月21日(土)13:00~14:50

2019年8月14日 | カテゴリー: その他
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